【レポート】構造主義とは?/実存主義者に「自分の人生切り開いてるとか嘘」と言った現代思想

雑記ブログ
しまうま

構造主義とは何か?
社会には隠れた構造がある。人は完全には自由でないんだ!というお話です。
どうして実存主義者と相いれないのかも述べます。

エヴァの怪文書で「芸大の中退程度の頭の 人間が構造主義も語れずに記号論をふりかざすのも馬鹿っぽくて面白いけどな(笑)」と述べられている通り、作品鑑賞にも使われる思想です。

構造主義とは何か?

構造とは、関係性のこと(要出典)。

構造主義とは構造があることを主張する思想。1960年代以降のフランスで盛り上がった。

例えば、

  • 野比のび助―野比のび太
  • 野原ひろし−野原しんのすけ

これらは誰一人として、同じ人物ではない。

しかし、ここの「―」には「父親―息子」を結ぶ関係があると言える。これが構造だ。

 父親ー息子は構造だけれど、高度でもなく隠されてもいない。あえて指摘するのは無駄だ。だけれど、レヴィ=ストロース以降、説得力のある隠された高度な構造が発見され始める。これが構造主義というものの力になって、1960年代に言論を支配するようになる。

人間は構造に規定されている、それが構造主義の主張だ。自由な人間というやつを否定するわけだ。

構造主義の何が「危険」なのか?

 じゃあ、なぜこれが危険なのかというと、「自分の意思が大事」「自分の個性が大事」という人にとって天敵になるから。

 自由な人間論者は「自分で考えてやっている」と主張する。だけど、構造主義者は「構造から抜け出てないよ。それホントに自分の意思なんですか?笑」と煽ってくるわけなんだ。

 ちなみに、この自由な人間論者は、現代思想史の文脈でいうと実存主義者になる。

潰された実存主義者

 自由な人間論、つまり、実存主義は、1945年ごろから現代思想の中心地フランスで一大ムーブメントを形成した。戦争でナチスにボコボコにされて、自信喪失してるフランス国民に差し込んだ光だった。

 その中で、実存主義者サルトルは「自分のあり方は自分で決められるんだ。というか、決めているんだよ。君たちを縛るものはないんだ」という意味で「実存は本質に先立つ」と述べた。

 その考えに構造主義者は「でも構造にとらわれてますよ」とイチャモンをつけたわけだな。「あなた、自分の意思で選んでるようで、構造によって決定されてるんですよ」って話だ。「自由意志か環境か」と同じタイプの議論だ。

構造主義者の創始者レヴィ=ストロース

 さて、1960年代から実存主義に代わって構造主義が流行ってきたわけだけど、その火付け役になったのがレヴィ=ストロースという文化人類学者だ。『はじめての構造主義』でめっちゃ解説されてる人だ。

 レヴィ=ストロースはパリ大学で法学と文学で学位をとり、難関中の難関である哲学教授資格試験に合格した。ちなみに、この時期の合格者にはサルトル、ボーボワール、メルロ=ポンティといった思想界の巨人になっていく若者もいたらしい。(すげえ、有名人ばっかり)

レヴィ=ストロースの二大著作は、『親族の基本構造』『神話学』だ。内容と意義を軽く説明しよう。

『親族の基本構造』

 フィールドワークの結果、未開の民族の結婚のやり方は、現代数学の群論のような高度なものだった。これにより、未開と思われていた部族にも、高度な文化が備わっていることが明らかになった。西洋文明が物質的豊かさのみを見て、「未開」と断定するのはよろしくないという結論を導くことになった。

 意義は、

  • 2度の世界大戦で、もともと自信を失いつつあったヨーロッパ人にトドメを刺したこと

 あと、なんで、近親相姦(インセストタブー)がダメなのかの理由も述べられている。なお、その論法はフェミニストの予想激怒確率95%。

『神話学』

 神話を要素ごとに分解して分析した結果、デタラメと思われていた神話にも共通する構造を持つことがわかった。人類には文化によらず思考の型が備わっていて、それに基づいて神話を創作したことになる。

 意義は、

  • 世界の神話に、共通のストーリーが存在することが明らかになったこと
  • 神話が守っていた神が、神聖なものから単なるストーリー上の要素におとしめられたこと

構造主義の発想を再考する

 僕は、高校生の時に心理学をかじって、「人間心理に法則があるなら、それに縛られてるやん。『俺は人と違って自由だ』とかいう奴は、勘違い野郎じゃん」とか思ってしまった。

 だから、構造主義には惹かれるものがあるのだけれど、一つ大きな疑問がある。

 構造って存在するもんじゃなくて、発見して初めて生まれるものじゃね?って話だ。

 例えば、「人間は、基本的に五体しかもてないという構造によって規定されている。お前は、不自由なんだよ!ベロベロ〜」って屁理屈いう奴と何が違うのという話だ。

 これって運命を信じる信じないとも同じ。

「運命(決定論)によって規定されている。お前は不自由なんだ!バーカ」と言われたとして、でも本人は運命が何かわからないので結局普通に生きるしかないんだよね。

 それってわざわさ指摘する意義ないよね。

 地に足の着いてない概念は暴れて、「議論のための議論のため・・・コトバ」になるからな。それただの知識自慢でうざい。

 そういうのを考えると、最終的に構造主義があったとしても、自由な人間論、つまり実存主義は成り立つと思う。やったね!

 ただ、これにも一つ落とし穴がある。

 「あなたは自由です。で?それであなたは何するの?何もあなたを規定しないから、全ての結果はあなたが原因よ。」という神から厳しい一言が送られてくる。未読スルーは許されない。

本のご紹介

入門書『はじめての構造主義』の紹介

橋爪大三郎先生が1988年に著した講談社現代新書『はじめての構造主義』。(古い!)

その内容は、構造主義入門といったところ。

同時期の思想に目を配りつつ、レヴィ=ストロースが構造主義を創始していく過程に注目することで、構造主義がちょっとわかるように本が構成されている。


はじめての構造主義 (講談社現代新書)

あとがき

編集後記(No.14)

神託の未読スルーはイケナイ太陽〜(2019/12/13)

参考資料

・橋爪大三郎『はじめての構造主義』1988年、・サルトル『実存主義とは何か?』

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