【映画】第九軍団のワシ / 2世紀のイギリス

世界史映画
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 2世紀のイギリスを舞台にした『第九軍団のワシ』のあらすじと時代背景をご紹介します。

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1、あらすじ

『第九軍団のワシ』予告編
『第九軍団のワシ』予告編

 マーカスは、ローマ辺境ブリテン島への配属に志願した。父親の汚名を注ぐためだった。マーカスの父親は、20年前に第九軍団を失い、帝国の象徴たるワシを奪われ、帰らぬ人となっていたのである。

 こうして百人隊長となるも、配属早々に負傷、名誉除隊になってしまう。この失意の中で、マーカスは帝国のワシが見つかったとの噂をきく。

 しかし、そのワシは、ローマ国境を意味するハドリアヌスの長城の向こう側にあるという…

管理人しまうまの辛口評価

  • 映画の面白さ

 そもそも古代ローマ時代のお話は面白い。「文明人 対 野蛮人」の構図はというわかりやすい。イギリスに野蛮人がいた時代を感じたい人にはおすすめ。

 ただ、ローマ辺境の話だからハリウッド的な爆発劇はない。

 ちなみに、映画の原作は、ジブリの宮崎駿が映画化を検討したほどの名作らしい。

⭐⭐⭐

  • 高校世界史お役立ち度

 ローマ中枢の話ではないから、ローマ社会の描写は少ない。盲点になるミトラ教とハドリアヌスの長城が描かれているのはよい。

⭐⭐

  • リアリティー評価
史実に従っている
史実をもとにしたフィクション
(主人公は実在の人物がモデル、社会情勢も反映)
史実をもとにしたフィクション
(社会情勢のみが反映)
過去の文化を利用したフィクション
とても脚色が多い
風刺・寓話の要素が強い

2、高校世界史で読む時代背景

ブリタンニア属州

時代:2世紀

当時の国:ローマ帝国ブリタンニア属州

現在の国:イギリス

国際情勢:パクス=ロマーナ:広大な土地がローマ帝国領となり、平和であった。

国内情勢:五賢帝の時代。2代目トラヤヌスは積極拡大政策を採ったが、3代目ハドリアヌスは国境安定化政策に変更した。このため、ブリタンニア属州北方にハドリアヌスの長城が築かれている。なお、ハドリアヌスはメソポタミアからの撤退も命じている。

※舞台は140年であり、すでに4代目アントニヌス・ピウス帝の時代へ移っている。

宗教:まだキリスト教は主導権を握っておらず、ペルシアから伝わったミトラ教やマニ教が流行っている時期である。主人公マーカスもミトラ教信者である。

建築:ハドリアヌスの長城

3、高校世界史範囲外の知識

 超難関知識です。受験で出ることは、ほぼないでしょう。

  • ドルイド

 ケルト社会の司祭。当時のケルト社会階級の中で最上位に位置する。映画冒頭でケルト人軍団を指揮してる男のような人。

  • ローマ式敬礼

 手を前方に伸ばす敬礼。2000年後、ナチスが大衆扇動のために用いたため、現代ドイツでやるとドイツ系法典130条民衆扇動罪で処罰される。外国人も対象である。

  • 百人隊長

 ローマ軍の基本単位である百人隊(ケントゥリア)の隊長。ローマ軍団の背骨。

  • 第九軍団

 もとはガリア遠征したカエサルが創設した軍団。2世紀に消滅した。

  • ワシ

ローマ帝国の国章。ヨーロッパの神話では最高神と関連づけられることが多い。ギリシアのゼウス、ローマのユピテルなど。現在、アメリカ・ロシア・ドイツなどが国章として用いている。

4、虚構

  • 第九軍団のブリテン島での消滅

 第九軍団は確かに消滅したが、ブリテン島ではなく、ヨーロッパ大陸で消滅した。

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