8.負の外部性にどう対処すべきか?【社会厚生】

 経済活動に付随して起こる悪影響を負の外部性といいます。

 例えば、公害がその例です。

 公害とは、経済的な合理性を追求した結果、環境に悪影響をもたらす人間活動です。

 では、公害のような経済活動に伴う社会的損失はなぜ発生し、どのように管理することができるのでしょうか?

1、負の外部性の発生メカニズム

(1)通常の経済

 高度経済成長期の日本は公害が問題になりました。

 しかし、公害を起こそうとして起こしているわけではありません。

 なにかしらの有益な経済活動のわきで、望まない形で発生するのが公害です。

 経済学ではこれを負の外部性といいます。

 ここで通常の市場を考えてみます。

 限界費用曲線に合わせて供給曲線が引かれ、限界評価曲線に合わせて需要曲線が引かれます。

 需給曲線の交点で価格と需給量が決定され、このとき社会的余剰は最大化します。

 

(2)負の外部性が存在する場合

 しかし、取引にかかわっていない第三者が損失を被っていたとしましょう。(負の外部性、正確には負の技術的外部性

 この新しく加わった損失を限界損失として計上します。すると

  • 社会的限界費用=私的限界費用+限界損失

とかけます。

  • 限界評価>社会的費用のとき、社会的余剰はプラス
  • 限界評価<社会的費用のとき、社会的余剰はマイナス(死荷重

になります。

 

 私的限界費用しか市場に反映されませんから、上の図のように生産と消費が決定されます。

 そして、死荷重が発生してしまうのです。

(3)公害の発生原因

 このように考えると公害の発生原因は、

  • 過度な企業活動

という企業モラルではなく、

  • 市場価格に社会的な費用が反映されず、過剰供給してしまう

という市場構造に帰せられます。

 これは外部性が発生すると必ず生まれるので、「市場の失敗」といいます。

2、[解決策]外部性の内部化

 では、どのように公害を適切な規模に抑えて、社会的余剰を最大化すべきでしょうか?

 いくつかの方法が考えられます。

(1)第三者との合併

 一つ目は、供給者と第三者を合併し、費用を共同負担するというやり方です。

 例えば、廃液を出す化学企業と漁業企業を合併するという方法です。

 合併後の私的費用には、もともとの私的費用と限界損失が組み込まれます。

 したがってて、次のように自然に社会的余剰が最大化されます。

 ただし、現実に行うのは難しいです。

 合併後も旧組織での派閥争いが発生する可能性が大きいからです。

(2)交渉による解決(コースの定理)

 二つ目は交渉により、まず

  • 総余剰を最大化

し、次に

  • 補償を通じて利益を分配

するというステップを取ることで社会的余剰を最大化するというものです。

 ロナルド・コースによれば

  1. 交渉コストが低ければ当事者の交渉により効率的な結果がもたらされる。
  2. 消費者の満足が消費者余剰で表現できるなら、外部効果の所有権を誰が持っているかにかかわらず、同一の生産量が実現する。

とのことです。(コースの定理)

 ただし、交渉コストという概念はイメージ先行で明確な定義がありません。

 それに交渉コストは大きいことが普通ですので、やはり交渉による解決も難しいでしょう。

(3)政府によるピグー税

 公的な解決策には二つの方法があります。

 ピグー税がその一つです。

 ピグー税とは、企業側に課税して生産量を最適に抑える方法です。

  • ゼロから生産を増やすと、企業はお金を払わされる

という仕組みで、

  • 限界損失=ピグー税

とすると、社会的余剰が最大化されます。

 負の外部性を減らすための費用を、企業側に負担してもらおうという発想です。

 具体的な利益配分は下のようになります。

 政府の税収は、第三者に何らかの形で補償すれば公平性も保たれます。

(4)ピグー補助金

 ピグー補助金は、公的な解決策の2つ目です。

 ピグー補助金とは、企業側に補助金を出して生産量を最適に抑える方法です。

  • 過剰生産から生産を減らすと、企業はお金をもらえる

という仕組みで、

  • 限界損失=ピグー補助金

とすると、社会的余剰が最大化されます。

 負の外部性を減らすための費用を、政府に負担してもらおうという発想です。

 政府は税収でなりたっているので、社会全体で負担するとも考えられます。

 具体的な利益配分は下のようになります。

 負の外部性は第三者の損のままで、「おかしいのでは?」となる人もいるでしょう。

 これが公平であるためには、企業側に理がある場合でしょう。

 例えば、もともと企業側がこの地でずっと活動していた場合などです。

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読者127642
読者127642
社会における学校の役割って何でしょうか
読者127642
レポートにまとめないといけないのですが、序論から思いつきません(´;ω;`)
しまうま
127642さん、コメントありがとうございます。最重要な視点は「⓪親はなぜ十分な教育を子供に与えることができないのか?」という問いです。すぐに思いつく答えは「⓪親は質の高い教育ができないから」ですが、「①昔のように家を継ぐ場合」はそんなことないですし、「②できなければ家庭教師をつければいい」のです。
しまうま
となると、①から「①現在は高度な産業社会で職業の自由があること(需要)」、②から「大人数で教育することで費用を分担する(供給)」という存在理由が見えてきます。
しまうま
しかし、なら私立学校で十分です。公立学校の存在意義を考えるには、「③教育の効果を親が過小評価しがちなので「賢い政府」が適切な教育を施す必要がある(効率性)」「④教育の効果を把握していても貧しい親は教育費用を負担できず不公平が生まれる(公平性)」というのも大きな理由です。
しまうま
とはいえ、一番書きやすいのは①でしょう。近代化による産業の高度化、公教育の開始などについて調べてみてはいかがでしょうか?
読者127642
返事がいただけるとは思ってなかったです(´;ω;`)ありがとうございます!ちなみに、先生から出されたテーマがその社会における学校の位置づけ あるいは 学校の中で生活することが個々人にとってどのように機能しているか なんですが、そのテーマから問題を探すんですか(@_@。? レポートを書くのが初めてで何もわからなくてすみません(;_;)
しまうま
いえいえ、コメントいただけると嬉しいので笑 前者のテーマでは学歴社会・産業社会・文化の継承、後者は青春の思い出・人格形成・社会人になる準備みたいな視点がぱっと思い浮かびますね。1〜2枚程度の軽いレポートでしたら割と適当に書いてよいと思います。
読者127642
1~2枚くらいでいいんですが、軽く適当にがわからなくて(´;ω;`)
しまうま
図書館の「教育」のコーナーに行って、2〜3冊くらい借りて読んでみてください。それで論点と理屈と結論が思い浮かんだら、それをレポートに書きましょう。根拠として本や統計の引用をして参考文献録をつけたらレポートの完成です。
読者127642
ありがとうございます!明日学校の図書室に行って本調べてみます(#^^#)
読者127642
しまうまさんみたいにレポートの達人になりたい…
しまうま
ちなみに大学1年生ですか?
読者127642
専門学校1年生です
しまうま
そうなんですね!慣れないレポートで大変かと思いますが、頑張ってくださいねd(^_^o)
読者127642
単位のために!これからも出るであろうレポートと仲良くなるために頑張ります!このサイト作ってくれてありがとうございます(#^^#)
読者134565
TENETの解説わかりやすかったです
しまうま
134565さん、ありがとうございます!
読者147170
うえーい
読者147784
むっずかしい
読者149700
敵があった銃弾の行方だけ分かっていないんですよね。敵の撃った銃弾は後ろ歩きしていったニールに張り付いていたことになるのでしょうか?
しまうま
149700さん、ありがとうございます。ニールは生きていますから、銃弾は貫通してドアに刺さっているはずですというのが答えになると思います。しかし、この問いはテネットの抱える矛盾の一つです。ドアが作られた時に銃弾も一緒に作られていることになるからです。同じような例が高速道路のカーチェイスにあります。ドアのミラーから銃弾が「抜かれる」ようなシーンがありますが、自動車工場でミラーに銃弾を埋め込んで製造したことになります。これは明らかにおかしいです
読者150373
回答ありがとうございます.ニールが庇ったところから貫通していたとすると主人公に結果当たってしまうのではないかといったところも気になりましたが,やはり多少の矛盾は出てきてしまうのは避けられないのかもしれませんね.事象としては理解できました.ありがとうございます.
しまうま
いえいえ、こちらこそコメントありがとうございました!
読者155126
てすと
読者155263
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読者161258
わかりやすい!公務員試験対策に活用しています。ありがとうございます。
しまうま
161258さま、ありがとうございます。がんばってください!
読者161940
フランスを追加して欲しい
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