ジョン・ヒックス(John Richard Hicks)は、1904年にイギリスで生まれた経済学者である。
経済学の中心地がイギリスからアメリカに移動したときの経済学者であるから、「英国最後の大経済学者」とも言われる。
1972年に、ケネス・アローとともにノーベル経済学賞を受賞した。
<重要な業績>
- スルツキー分解:代替効果と所得効果を数学的に解明し、アイデアを広めた。ただし、後日、第一発見者がスルツキーであることがわかったため、現在はスルツキー分解と呼ばれている。
- IS-LMモデル:難解なケインズの『一般理論』を幾何学的にわかりやすくモデル化した。不完全雇用のままで経済が均衡状態に入ることが明示されている。本人は「財市場はフロー概念で分析し、貨幣市場はストック概念で分析しているので問題がある」と批判したが、現在もよく使われている。
<経歴>
- 1922年:クリフトン大学卒業
- 1926年:オックスフォード大学卒業
- 1937年:IS-LM分析のもととなる論文を発表
- 1972年:ノーベル経済学賞受賞(大阪で知る)
<その他>
- 歴史・数学・哲学の造詣が深いヨーロッパ的教養人の経済学者であった。このため、多くの経済学者から尊敬されていた。
<著作>
現代ミクロ経済学と一般均衡理論のルーツとも言われる古典(1939年)。
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