8.IS曲線のシフト(財政政策)【IS-LM分析】

 日本は財政状況が世界最悪と言われ、慢性的な財政赤字と膨大な国債が問題になっています。

 これには利益誘導や非効率な出費もあるとは思いますが、そもそも財政出動にはどのような意味があるのでしょうか?

 ミクロ経済学的に政府が果たすべき役割は次の3つです。

  • 所得の再分配(租税と社会保障)
  • 公共財の提供(公共サービス、治安、国防)
  • 競争市場の維持(公正取引委員会)

 しかし、マクロ経済学ではこれに加えて

  • 国民所得の増大(経済成長政策)
  • 失業問題の解決(景気対策)
  • インフレ率の管理(物価安定策)

を課題とします。

 ここでは失業問題の解決策を考えます。

1、拡張財政による総需要創出

 現在の国民所得が完全雇用国民所得に達していないとき、失業が発生します。

 では、どのように国民所得を増やすべきでしょうか?

(1)総需要

 (閉鎖経済での)財市場では、総需要=消費+投資+政府支出です。

 ケインズ型消費関数を考えると、つぎのように総需要を表現できます。

(2)拡張財政

 ここで拡張財政をすると、政府支出Gが増えて、総需要が上にシフトします。

(3)国内総生産の増加

 拡張財政で総需要を押し上げると、次の図のように財市場の均衡点が移動します。

 このようにして、完全雇用国民所得まで財政出動を続ければいいのです。

2、財政政策の重要性

 ここで財政政策の重要性を考えます。

(1)現実世界での政府支出の存在感

 ここで一部の方は「政府支出で何が変わるのか」と思われるかもしれません。

 しかし、下の統計をみると、GDPに占める政府財政の割合はかなり大きいことがわかります。

 財政政策が経済に与える影響は大きいのです。

(2)乗数効果による高い効果

 また、政府支出増加は、それ以上の国内総生産の増加を生むことが知られています。

 これは乗数効果とよばれる現象です。

 拡張財政した分の国内総生産が増えたとしても、超過需要の状態が続きます。

 超過需要が解消されるまで国内総生産は伸びるので、乗数効果が発生するのです。

3、財政政策のIS-LM分析 〜クラウディング・アウトの発生〜

 ここでIS-LM分析を行います。

(1)拡張財政はIS曲線の右シフト

 拡張財政により、国内総生産が増えます。

 一方で、貨幣市場で決まる利子率は変わらないです。

 ですので、財市場が均衡する利子率と国内総生産の組み合わせであるIS曲線は、右シフトします。

(2)拡張財政のIS-LM分析

 しかし、貨幣市場を考慮すると、利子率の上昇にともなう投資の減退が発生します。

 これがクラウディング・アウトという現象です。

 こうして、国内総生産は少し落ち込みます。

 これを図示すると次のようになります。

拡張財政のクラウディング・アウトは次のような過程を経て、発生します。

拡張財政のIs-Lm分析2

IS-LM分析
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しまうま
しまうまだよ
まれびと2008
わかりやすいです!
まれびと2030
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まれびと2030
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まれびと2030
ねむい
まれびと2030
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まれびと2030
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まれびと2030
おおおおおーーーいいい
まれびと2030
授業ねむい
しまうま
2008さんありがとうございます!
しまうま
2030さん、は〜い笑
まれびと3295
こんにちは^ー^
まれびと3498
やっはろー
しまうま
3295さん、3498さん、こんにちは〜
まれびと5147
めっちゃ分かりやすい
まれびと5147
大学の先生より分かりやすい
しまうま
5147さん、ありがとうございます!ウレシイ!どちらの記事でしょうか?
しまうま
みなさまもぜひコメント残していってください
まれびと9305
正の外部性を内部化する為の補助金は、何故私的最適均衡点でなく社会最適均衡点に合わせて出されるのですか?補助金で外部経済が内部化されるのはわかりますが、初めにあった死荷重はどうなった?外部経済・死荷重にも重ならない分の補助金(右端の三角形)はどうなるんです?ご教授下さい…
しまうま
9305さん、ご質問ありがとうございます。ご質問3点は、正の外部性のページにある図4〜図8を順番に見ていただければ解決すると思います。1点目は図4〜図8、2点目は図4・図5・図7、3点目は図4・図7が対応しています。
まれびと4054
賃金に所得税が課されると労働時間はどうなるでしょうか?
しまうま
4054さん、コメントありがとうございます。結論からいえば、「場合による」が答えになります。合理的な労働者目線で、所得税課税は賃下げと同義です。単純にみれば、労働のインセンティブが減るので、労働時間が減ります※1。これがスタンダードな結論です。しかし、無差別曲線理論では、賃下げで労働時間が増える合理的な行動の存在を予想しています※2。労働曲線の後方屈曲性という現象です。例えば、時給5000円で月8時間家庭教師する東大生が、国に時給当たり所得税3000円を徴収されたら、生活水準を維持するために労働時間を増やすでしょう。もともと月4万円のバイト収入があったのに課税で1.6万円になったのでは、デート回数を減らすことになるのだから仕方ありません。これは所得税課税で労働時間が伸びる例です。他の
しまうま
賃金と労働時間に関する興味深い例(こちらは所得税とは関係ありませんが...)にはニューヨークのタクシー運転手の例があります。彼らは時給が上がると、労働時間を減らすらしいのです。面白いですよね。なお、※に対応する当ブログ記事は※1→「https://info-zebra.com/koyo-kettei/」、※2→「https://info-zebra.com/roudo-kyokyu/」です。
しまうま
みなさまもぜひコメント残していってください。近況とか聞きたいです
まれびと14623
おはよー
しまうま
14623さん、おはようございます!
まれびと16226
負の外部性の記事で、常体と敬体がごっちゃになっています。
しまうま
16226さん、ご指摘ありがとうございます。修正しました。
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しまうま

<自己紹介>
 万人の共通言語となる世界観を追い求めて、ブログを執筆しています。
 
<経済学について>
【可能性】万人にとってよい社会を構想する共通言語になりうる
【長所1】個別的な議論を排し、統一的に説明する
【長所2】ゼロかイチかの極論を排し、最適点を導く
【長所3】独善的あるいは自傷的な社会通念を排し、価値観や能力の多様性を重視する
【短所】体系的な知識が必要であり、難しい

しまうま経済学研究所
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