【ソロー・モデル】人口増加率が経済成長に及ぼす影響

ソロー・モデル

 人口増加は、経済成長にどのような影響を与えるでしょうか?

 この記事では、分析のために経済学部で習うマクロ経済学において最も重要な理論のひとつであるソロー・モデルを用います。

1、人口増加とソローモデル

(1)人口増加

 「1カ国全体のGDP」のためには人口の多さが重要です。

 けれども、よく考えてみると同じパイを多くの人々で分け合わなければいけません。

 したがって、人口増加は「一人当たりのGDP」を下げる効果があると予想できます。

 例えば、ジムの会員が増えたら自分が使える筋トレ用具が減ってしまうような状況です。

 逆にいえば、人口減少は「一人当たりGDP」を増大させる効果があると予想できますよね?

 さきほどのジムの例を出せば、会員が減ったら自分が使える筋トレ用具が増えてハッピーになるようなものです。

 すこし常識と違う考え方ですが、これについて考えていきます。

(2)経済成長の結末

 ここではソロー・モデルを用います。このモデルでは、次のように考えて議論を進めます。

 そして、ソロー・モデルでは、経済成長は最終的に定常状態に帰着すると考えます。※詳しくは→「ソロー・モデルの定常状態

 具体的には、図の黒点で一人当たり資本量が決定されます。

 緑の式の導出については、本ページ最後の補論であつかいます。

2、人口増加の果たす役割

 ここで人口増加率が高い場合と、低い場合について考えてみましょう。

(1)人口増加率が高い

 人口増加率が高い場合、定常状態は左へ移動するので経済成長のマイナスの影響を与えます。

 人口増加率が高い場合、定常状態での一人当たりGDPは小さくなります。

 人口増加が加速すると、一人当たりGDPを減らすとも言えます。

(2)人口増加率が低い

 人口増加率が低い場合、定常状態は右へ移動するので経済成長のプラスの影響を与えます。

 人口増加率が低い場合、定常状態での一人当たりGDPは大きくなります。

 人口増加が鈍化すると、一人当たりGDPが増加するとも言えます。

(3)長期的な成長率は?

 人口増加率が変わらなければ、長期的には一人当たりGDPは定常状態で一定となります。

 したがって、

  • 長期的には一人当たりGDP成長率はゼロ

になります。

 ただし、国全体では人口増加率n分の人口が増えるわけですから

  • 長期的には国全体のGDP成長率=人口増加率n

となります。

3(補論)、人口増加率を考慮した時の資本蓄積式

 最後に、人口増加率を用いた資本蓄積式について、「t期からt+1期で考えるパターン」と「微分で考えるパターン」の2つで考えます。

(1)連続モデル(微分)で考える人口増加

 このページでは連続モデルを用いました。

商の微分公式を使います。

(2)t 期からt+1期の離散モデルで考える人口増加

 離散モデルで考えることもできます。資本蓄積式に差がでます。