人的資本カーブ

 昔のように明晰な思考ができない、動けない、後輩の方ができる。プロが身を引く決意をするのはそのような瞬間でしょう。また、本人が適切に身を引くという決断ができないときに備えて、定年は機械的な世代交代システムとして整備されています。

 「労働の質」は年齢に応じて変化するのです。これを人的資本の観点から考察してみましょう。

人的資本の蓄積と減耗

 人的資本は投資することで成長し、時間が経つと減耗していきます。この構図は生涯を通じて変わりません。しかし、投資効率と減耗率は年齢に応じて変わります。

$$H_{t+1}=H_t +\alpha_t I_t-\delta_t H_t$$

$$※αは投資効率、δは減耗率、Hは人的資本、Iは人的資本投資、tは期$$

若い時、老いた時

 若いときは投資効率のいい案件がごろごろ転がっていますから、どんどん新しいことを学べます(高い投資効率α)。また、頭脳も肉体も若いですから、学んだことを忘れること、出来なくなることも起きにくいです(低い減耗率δ)。結果、どんどん成長していきます。

 けれども、老いてくると成長の余地は小さくなります(低い投資効率α)。その上、頭脳も肉体も若い時のようにいきませんから、忘れたり、素早く出来なくなったり、技能が時代遅れになったりします(高い減耗率δ)。結果、停滞または衰えが見られます。

人的資本のカーブ

 以上を総合すると、次のような山なりの人的資本のカーブができあがります。

図1:人生を通じた人的資本カーブ

 ただし、大事なことを忘れないように、とある詩をご紹介しましょう。

「子供叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だもの

 来た道 行く道 二人旅 これから通る 今日の道

 通り直しのできぬ道※」

 人生今が一番若いのです。やりたいことを大事に…

※作者不詳

コメント欄 お気軽にコメントをお寄せください!

タイトルとURLをコピーしました