古典派マクロ経済モデル/ 実質GDP・利子率・賃金率

長期均衡の理論

 価格調整メカニズムがしっかり機能すると考えた古典派のマクロ経済モデルでは、どのように実体経済を分析していたのでしょうか?

 実質GDP・消費・投資・貯蓄・利子率・賃金率はどのように決定すると考えていたのでしょうか。

(※物価水準は、実体経済からは決定されません。)

 これについて解説します。

1、実体経済の全体像

 マクロ経済はどのような全体像をしているのでしょうか?

 次のように考えられます。

 これについて解説していきます。

2、資金市場と資本の決定

 資本はどのように決定されるのでしょうか?

 資本は投資により形成されます。

 ですので、投資について考えます。

※ここでの投資とは資本の形成と同義であり、株式投資やFXなどの資本の形成に関係のない「いわゆる投資」は含みません。

(1)資金供給=貯蓄

 投資するには資金調達する必要があります。

 ここで出てくるのが銀行です。

 銀行は「利子率を上乗せして返すから、貯金してください」といって、資金供給者を探します。

 貯蓄は将来の消費ですから、「いつ消費するのが一番満足できるか問題」の解として考えることができます。

 利子率が高いと、「貯金するとお金が増える!今我慢すると、将来にたくさん消費できて満足度が高くなるぞ」ということで、資金供給(=貯蓄)が増えます。

 一方で、利子率が低いと、「貯金してもあんまりお金増えない。それよりも今を楽しみたい」とういことで、資金供給(=貯蓄)が減ります。

 これをグラフにすると、下のようになります。

(2)資金需要=投資

 一方で、企業の投資行動も利子率の影響を受けます。

 利子率が高いと、「お金借りるとたくさん上乗せして返さないといけない。そこまで有望な投資案件は少ない」ということで、資金需要が減ります。

 利子率が低いと、「お金借りてもそんなに上乗せして返さなくていい。それなら有望な投資案件がたくさんあるぞ!」ということで、資金需要が増えます。

(3)投資・貯蓄と利子率の決定

 資金供給と資金需要をグラフにすると、次のようになります。

 そして、最終的に貯蓄と投資が均衡するように利子率が決定されます。

(4)資本の決定

 毎年毎年のやりとりを通じて、投資が行われ資本蓄積されていきます。

 この結果、資本Kが決定されるのです。

3、労働市場と労働の決定

(1)労働供給

 労働供給は、「どのように労働し余暇をとると一番満足度を高くできるか問題」の解として決定されます。

 賃金率があがると「働くとたくさんお金が入るから、たくさん働こう」ということで、労働供給が増えます。

 賃金率がさがると「働いても実入りが悪いから、あんま働きたくない」ということで、労働供給が減ります。

 これをグラフにするとつぎのようになります。

(2)労働需要

 労働需要は「どのくらい労働者を雇ったら利潤を最大化できるか問題」の解として考えられます。

 賃金率が高いと、「雇うとたくさん人件費がかかる。そこまでして生産頑張る必要はない」ということで、労働需要が減ります。

 賃金率が低いと、「雇ってもあんまり人件費がかからない。だから、たくさん雇って生産増やそう!」ということで、労働需要が増えます。

 これをグラフにすると次のようになります。

(3)労働と賃金率の決定

 労働需要と労働供給を合わせると、つぎのようなグラフになります。

 賃金率が調整されて、労働需要と労働供給が均衡します。

 こうして、労働Lが決定されます。

4、実質GDPの決定

 資金市場では、利子率が変化することで投資が決定しました。

 過去の投資の結果が今の資本Kとなります。

 一方で、労働市場では、賃金率が変化することで労働Lが決定しました。

 実質GDPは、資本Lと労働Lによって決まります。

 こうして、実質GDPが決定するのです。