10.LM曲線のシフト(金融政策)【IS-LM分析】

 金融政策が貨幣市場に与える効果を解説します。

 IS-LM分析では、金融政策をLM曲線のシフトと捉えます。

 これについて解説します。

1、財政政策とIS曲線のシフト

(1)金融緩和(と物価下落)

 金融緩和と物価下落で実質マネーサプライM/Pが増加し、利子率が減ります。

 このとき財市場で決まる国内総生産は変化していないので、LM曲線は下シフトします。

 ただ、覚えにくいので下のように考えていいです。

IS曲線(右下がり)LM曲線(右上がり)
金融緩和×右シフト
拡張財政右シフト×

 

(2)金融引き締め(と物価上昇)

 金融引き締めと物価上昇で実質マネーサプライM/Pが減少し、利子率が上がります。

 このとき財市場で決まる国内総生産は変化していないので、LM曲線は上シフトします。

 ただ、覚えにくいので下のように考えていいです。

IS曲線(右下がり)LM曲線(右上がり)
金融引き締め×左シフト
緊縮財政左シフト×

(3)流動性の罠

 もともと利子率が低すぎて、金融緩和しても利子率が下がらない部分があります。

 これを流動性の罠といいます。

2、金融緩和の効果(通常)

 これでは意味がわからないので、金融緩和の場合についてしっかり議論しましょう。

(1)実質マネーサプライの増加

 貨幣市場では、貨幣供給=実質マネーサプライです。

 実質マネーサプライは、

  • 名目マネーサプライM / 物価P

です。

 金融緩和は、中央銀行が名目マネーサプライを増やすことです。

 結果、実質マネーサプライが増加します。

 これは利子率によらず決まるので、垂直なグラフになります。

(2)利子率の減少

 金融緩和で貨幣供給を増やすと、次の図のように貨幣市場の均衡点が移動します。

 結果、利子率は減少します。

(3)LM曲線の下シフト

 金融緩和により利子率が減りますが、財市場で決まる国内総生産は変わらないです。

 ですので、LM曲線は下シフトします。

3、無効な金融緩和(流動性の罠)

 ただし、金融緩和が無効なときもあります。

 これを流動性の罠といいます。

(1)利子率が最低のとき

 利子率がもともと最低水準とみなされているときは、資産需要が無限大になります。

 なぜでしょうか?

 債券価格は長期保有した場合の魅力度で決まります。

 しかし、投機家たちは長期保有するのではなく、割安のときに買い、割高のときに売ります。

 利子率最低のとき債券価格は最高値をつけますので、すべての投機家が債券を売って、貨幣を手に入れようとします。

 つまり、資産需要は無限大になります。

(2)貨幣需要が無限大

 貨幣需要=取引需要+資産需要ですから、利子率が最低のとき、貨幣需要は無限大です。

 このとき、貨幣市場の均衡点はつぎのように変化します。

 金融緩和して実質マネーサプライを増やしても、利子率は下がらないのです。

(3)流動性の罠の部分

 すると、下の図のオレンジの部分では、利子率は下がりません。

 これが流動性の罠です。

 IS-LM分析をすると、このとき金融政策が無効であることがわかります。

IS-LM分析
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しまうま
しまうまだよ
まれびと2008
わかりやすいです!
まれびと2030
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まれびと2030
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まれびと2030
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まれびと2030
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2008さんありがとうございます!
しまうま
2030さん、は〜い笑
まれびと3295
こんにちは^ー^
まれびと3498
やっはろー
しまうま
3295さん、3498さん、こんにちは〜
まれびと5147
めっちゃ分かりやすい
まれびと5147
大学の先生より分かりやすい
しまうま
5147さん、ありがとうございます!ウレシイ!どちらの記事でしょうか?
しまうま
みなさまもぜひコメント残していってください
まれびと9305
正の外部性を内部化する為の補助金は、何故私的最適均衡点でなく社会最適均衡点に合わせて出されるのですか?補助金で外部経済が内部化されるのはわかりますが、初めにあった死荷重はどうなった?外部経済・死荷重にも重ならない分の補助金(右端の三角形)はどうなるんです?ご教授下さい…
しまうま
9305さん、ご質問ありがとうございます。ご質問3点は、正の外部性のページにある図4〜図8を順番に見ていただければ解決すると思います。1点目は図4〜図8、2点目は図4・図5・図7、3点目は図4・図7が対応しています。
まれびと4054
賃金に所得税が課されると労働時間はどうなるでしょうか?
しまうま
4054さん、コメントありがとうございます。結論からいえば、「場合による」が答えになります。合理的な労働者目線で、所得税課税は賃下げと同義です。単純にみれば、労働のインセンティブが減るので、労働時間が減ります※1。これがスタンダードな結論です。しかし、無差別曲線理論では、賃下げで労働時間が増える合理的な行動の存在を予想しています※2。労働曲線の後方屈曲性という現象です。例えば、時給5000円で月8時間家庭教師する東大生が、国に時給当たり所得税3000円を徴収されたら、生活水準を維持するために労働時間を増やすでしょう。もともと月4万円のバイト収入があったのに課税で1.6万円になったのでは、デート回数を減らすことになるのだから仕方ありません。これは所得税課税で労働時間が伸びる例です。他の
しまうま
賃金と労働時間に関する興味深い例(こちらは所得税とは関係ありませんが...)にはニューヨークのタクシー運転手の例があります。彼らは時給が上がると、労働時間を減らすらしいのです。面白いですよね。なお、※に対応する当ブログ記事は※1→「https://info-zebra.com/koyo-kettei/」、※2→「https://info-zebra.com/roudo-kyokyu/」です。
しまうま
みなさまもぜひコメント残していってください。近況とか聞きたいです
まれびと14623
おはよー
しまうま
14623さん、おはようございます!
まれびと16226
負の外部性の記事で、常体と敬体がごっちゃになっています。
しまうま
16226さん、ご指摘ありがとうございます。修正しました。
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しまうま

<自己紹介>
 万人の共通言語となる世界観を追い求めて、ブログを執筆しています。
 
<経済学について>
【可能性】万人にとってよい社会を構想する共通言語になりうる
【長所1】個別的な議論を排し、統一的に説明する
【長所2】ゼロかイチかの極論を排し、最適点を導く
【長所3】独善的あるいは自傷的な社会通念を排し、価値観や能力の多様性を重視する
【短所】体系的な知識が必要であり、難しい

しまうま経済学研究所
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