風の谷のナウシカ(原作)の世界観

 この記事では私の大好きな『風の谷のナウシカ』の世界観とあらすじをご紹介したいと思います。

 ただし、注意があります。ここでご紹介するのは、アニメ映画版ではなくコミック原作版(全7巻)です。実はアニメ版はコミックの1.5巻分に過ぎません。

 真にナウシカの世界観を知るにはコミック版をみなくてはいけないのです!

 また、後半にはネタバレがあります。ネタバレが嫌な方は「ここからネタバレあり」がでてきたらブラウザバックをお願いします。

 それではいってみましょう!

ネタバレなしの部分

  • 西暦1750年頃
    産業文明が勃興

     ユーラシア大陸の西の外れで産業文明が発生します。おそらくイギリス産業革命のことだと思います。

  • 21世紀
    巨大産業文明を形成

     産業文明は数百年のうちに全世界に広まり、人類は巨大産業文明を形成するに至ります。これが現代の我々を指しています。

  • 巨大産業文明の成長

     人類は大地の富を奪いとり大気を汚し、生命体をも意のままに造り変える技術を獲得します。

  • 西暦3000年頃
    巨大産業文明の絶頂期と急激な衰退

     

  • 同時期
    火の七日間

     「火の七日間」と呼ばれる戦争が起き、巨神兵が世界を焼き尽くします。ここのシーンはアニメ映画でも有名ですよね。

     このときに都市群は有害物質をまき散らして崩壊します。

     結果、複雑高度化した技術体系は失われ地表のほとんどは不毛の地と化します。

     その後産業文明は再建されることなく、永いたそがれの時代を人類は生きることになります。

  • 同時期
    腐海と蟲の誕生

     この時期に有毒な瘴気を発する腐海と、巨大な昆虫類である蟲が突如出現しました。

     ここまでが、アニメ版ナウシカでも説明される世界観です。

  • 同時期
    墓所の建設
    (c)宮崎駿、7巻, p62

     ここからがコミックを読んだ人にしかわからないナウシカの世界観です。

     人類滅亡のときに際して、「墓所」がシュワに建設されます。この「墓所」には未来の人類再建の要として、科学の遺産が収められました。

     この墓所にはなんらかの自律した意志があります。墓所は外界に政治的庇護者をつくり、シュワを都とする歴代政権によって破壊から逃れることになるのです。

  • 西暦3700年頃
    最後の大海嘯

     文明崩壊から700年後、強国エフタルで王位継承権争いが勃発します。武器商人たちは硬い甲皮を求め王蟲を集団的に狩りました。

     結果、王蟲の怒り、暴走します。都市を破壊して死んだ王蟲を苗床に腐海が成長し、エフタルは腐海に呑み込まれました。

     実は風の谷は旧エフタル領です。エフタル崩壊に伴って、隣国のトルメキア王国と血の盟約を結び、属国となりました。

  • 西暦3800年頃
    初代神聖皇帝の即位

     文明崩壊から800年後、墓所のあるシュワで革命が起こります。

     ヒドラを連れた少年が土王クルバルカを倒し、神聖皇帝に即位します。このとき、ドルク(土鬼諸侯国連合帝国)が建国されました。

     こうして、トルメキアとドルクの2大国が並立します。

  • 西暦4000年頃
    『風の谷のナウシカ』の舞台

     さて、文明崩壊より1000年後、セラミック時代終末期、ナウシカの時代のはじまりです。

     このころ、トルメキアとドルクという2大国が腐海を挟んで並立している状態でした。

  • トルメキア戦役勃発

     ここで領土を求めるトルメキアと土鬼で戦争が勃発します。

     血の盟約に従い、風の谷族長ナウシカはトルメキア・クシャナの指揮下に入り、物語が始まります。

     『風の谷のナウシカ』では非常に重厚な物語が展開されます。それは

    • 風の谷(故郷)
    • クシャナ反乱軍(友軍)
    • トルメキア軍(敵軍)
    • ドルク軍(敵軍)
    • 蟲(自然のシンボル)
    • 墓所(文明のシンボル)

    の6つの主体が入り乱れて複雑な展開を見せるからです。ここについても詳しく見ていきます。

    ここからネタバレあり

  • ドルク軍、王蟲を利用しクシャナ軍を攻撃

     辺境諸国をまとめたトルメキア第四皇女クシャナは、ドルク軍の攻撃に合います。

     これは王蟲の群れをおびき寄せ、クシャナ軍の撃破を試みるというものでした。

     この際に、ナウシカは王蟲の怒りを鎮めて、クシャナの信頼を得ます。

  • クシャナの反乱

     クシャナは他の王族がドルクに情報を流していたことを見抜き、反乱を決意します。ここで、クシャナの軍隊は反乱軍となるのです。

  • ドルク軍、人工粘菌によりトルメキア軍を攻撃

     クシャナ兄たちのトルメキア軍がドルク領内に本土侵攻に成功します。このため、ドルクは軍事用に開発された人工腐海による攻撃します。

     しかし、人工腐海は突然変異で制御不能になり、ドルクの地は腐海に没します。

     さらに、腐海から蟲の大群が襲来し、トルメキア軍は壊滅状態に陥ります。

  • ドルクでクーデター発生

     人工腐海の作戦に失敗したドルク神聖皇帝ミラルパは、シュワにて兄のナムリスに暗殺されます。

     こうして、ドルクで政権交代が発生し、情勢は更なる混乱を迎えます。

  • 神聖皇帝ナムリス、クシャナを捕縛

     土鬼の国土が腐海に没したため、ナムリスはドルク=トルメキア二重帝国による国土拡大を目論みます。

     そのために現在、反逆者となっているクシャナを捕縛し、結婚を申し込みます。

  • ドルク王朝の滅亡

     ここでトルメキアから運んできた巨神兵が起動し、制御不能になります。この混乱の中で、ナムリスは戦死し、クシャナは脱出に成功します。

     この神聖皇帝の死は、ドルク(土鬼諸侯国連合帝国)の滅亡を意味していました。

     なお、この巨神兵を起動させたのはナウシカであり、巨神兵はナウシカを母とみなし、命令に従うようになります。

  • トルメキア軍によるシュワ陥落

     巨神兵暴走の間、実はトルメキア本国からヴ王の遠征軍が訪れ、シュワ攻略が進められていました。

     シュワ攻略が成ったとき、政治的庇護者を求める墓所は「新たな王」の選定作業に入ります。

     墓所にはヴ王と、巨神兵を引き連れるナウシカが入りました。

  • 墓所の破壊

     

     

     注意!重大なネタバレあり

     

     

     

     墓所はヴ王とナウシカに

    • 腐海が巨大産業文明が汚染した大地を浄化する人工装置であること
    • ナウシカたちが汚染された大地に適応するように作られた人造人間であること
    • 世界が浄化されたとき生きるべき優しい心をもった新しい人類が作られていること

    を明かします。ここでナウシカは、墓所を否定します。ナウシカは巨神兵に命じて墓所を焼き払います。この際にヴ王は戦死します。

     ここでは実際のシーンをすこし引用したいと思います。

    (c)宮崎駿、7巻, p198
    (c)宮崎駿、7巻, p198
    (c)宮崎駿、7巻, p198

     日本マンガ史に残る名シーンです。ナウシカが今の生命の輝きと引き換えに、最終的に人類の滅亡を肯定したわけです。

     こうして、物語は終わります。

  • (エピローグ)トルメキア共和国へ

     トルメキア王・神聖皇帝は死に、トルメキア戦役は終結します。

     クシャナはトルメキア王都トラスに凱旋し、代王として生涯を終えることになります。

     以後、トルメキアは王を戴かなぬ国、つまり共和国となります。

さいごに

 さて、どうでしたでしょうか?

 コミック版を読んでいない方は、続きがあったことに驚いたのではないでしょうか。逆に読んだ方は、込み入ったストーリーを整理するのに役立ったと思います。

 ぜひ他の人にもおすすめしてくださいね。

 それでは今日はここで!

 ここまで読んでくださってありがとうございました。

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しまうま

<自己紹介>
 万人の共通言語となる世界観を追い求めて、ブログを執筆しています。
 
<経済学について>
【可能性】万人にとってよい社会を構想する共通言語になりうる
【長所1】個別的な議論を排し、統一的に説明する
【長所2】ゼロかイチかの極論を排し、最適点を導く
【長所3】独善的あるいは自傷的な社会通念を排し、価値観や能力の多様性を重視する
【短所】体系的な知識が必要であり、難しい

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わかりやすいです!
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2008さんありがとうございます!
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2030さん、は〜い笑
まれびと3295
こんにちは^ー^
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やっはろー
しまうま
3295さん、3498さん、こんにちは〜
まれびと5147
めっちゃ分かりやすい
まれびと5147
大学の先生より分かりやすい
しまうま
5147さん、ありがとうございます!ウレシイ!どちらの記事でしょうか?
しまうま
みなさまもぜひコメント残していってください
まれびと9305
正の外部性を内部化する為の補助金は、何故私的最適均衡点でなく社会最適均衡点に合わせて出されるのですか?補助金で外部経済が内部化されるのはわかりますが、初めにあった死荷重はどうなった?外部経済・死荷重にも重ならない分の補助金(右端の三角形)はどうなるんです?ご教授下さい…
しまうま
9305さん、ご質問ありがとうございます。ご質問3点は、正の外部性のページにある図4〜図8を順番に見ていただければ解決すると思います。1点目は図4〜図8、2点目は図4・図5・図7、3点目は図4・図7が対応しています。
まれびと4054
賃金に所得税が課されると労働時間はどうなるでしょうか?
しまうま
4054さん、コメントありがとうございます。結論からいえば、「場合による」が答えになります。合理的な労働者目線で、所得税課税は賃下げと同義です。単純にみれば、労働のインセンティブが減るので、労働時間が減ります※1。これがスタンダードな結論です。しかし、無差別曲線理論では、賃下げで労働時間が増える合理的な行動の存在を予想しています※2。労働曲線の後方屈曲性という現象です。例えば、時給5000円で月8時間家庭教師する東大生が、国に時給当たり所得税3000円を徴収されたら、生活水準を維持するために労働時間を増やすでしょう。もともと月4万円のバイト収入があったのに課税で1.6万円になったのでは、デート回数を減らすことになるのだから仕方ありません。これは所得税課税で労働時間が伸びる例です。他の
しまうま
賃金と労働時間に関する興味深い例(こちらは所得税とは関係ありませんが...)にはニューヨークのタクシー運転手の例があります。彼らは時給が上がると、労働時間を減らすらしいのです。面白いですよね。なお、※に対応する当ブログ記事は※1→「https://info-zebra.com/koyo-kettei/」、※2→「https://info-zebra.com/roudo-kyokyu/」です。
しまうま
みなさまもぜひコメント残していってください。近況とか聞きたいです
まれびと14623
おはよー
しまうま
14623さん、おはようございます!
まれびと16226
負の外部性の記事で、常体と敬体がごっちゃになっています。
しまうま
16226さん、ご指摘ありがとうございます。修正しました。
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