愛国ゲームの理論/囚人のジレンマ的なボドゲ

雑記ブログ
この記事は約9分で読めます。

 コロナ自粛なので基本的に家でダラダラしてるような、課題で忙しい生活してるような、「しまうま 」です。

 さて、先日は生まれてはじめてオンラインボードゲームなるものをやりました。その名は、「愛国ゲーム(パトリオットゲーム)」。

 これが面白い!!!

 最終的に私は負けてしまったんですけれどね笑 

 そこで、明らかに囚人のジレンマを意識してるゲーム設計について一考察加えたいなと思います。

 まず、ゲームの進行は、愛国ゲーム(パトリオットゲーム )の新ルール版をご覧ください。ここでは触れません。

0、要旨 〜愛国ゲームの攻略法〜

 見辛い数学の期待値の雑な議論が続くので、攻略法の結論を先に書いておきます。

コイン獲得の場合わけ

<自国内情勢><戦争><愛国者のコイン><売国奴のコイン>
全員愛国+1 売国奴は存在しない
愛国過半数勝利+1+3
 敗北0+3
愛国過半数いない
(国家破綻)
+10
    
※告訴成功 告訴成功者のみ+5―5

売国が合理的になる条件

問:売国か愛国かの選択はどちらが合理的でしょうか?

答え:

売国が合理的な条件

2.5×(戦争勝利確率b+戦争敗北確率c) ー1.5×国家破綻確率d ー6×告訴成功確率e×自国民の数>0

それ以外の時、愛国が合理的になる

情報商材について

<情報市場>

 愛国者むけに「売国奴情報」をうる情報市場が生まれます。しかし、詐欺師が多く出現し、情報の非対称性のためにその状況が是正されず、情報商材市場は早々に崩壊します。

 そこでプレーヤーのそれぞれの普段のキャラが反映された信用に基づいて、情報交換がされるようになります。

残された課題

  • 戦争勝利確率b、戦争敗北確率c、国家破綻確率d 、告訴成功確率eの導出方法=売国のタイミング
  • 情報戦の実際の攻略戦術

[ad]

1、ゲームの大きな世界観

(1)マクロの戦争

 プレーヤーは、炎の国と氷の国に二分されます。そして、炎の国と氷の国では4回の戦争が行われます。

 愛国者が多い国が勝利し、愛国者には1コインが贈呈されます。愛国者が少ない国は敗北し、愛国者がもらえるのは0コインです。これがマクロの次元です。 

(2)ミクロの愛国/売国選択

 一方で、プレーヤーは愛国か売国か選べます。愛国者は戦争に勝たないと戦利品を貰えない一方で、売国奴は戦争の勝敗にも関わらず、3コインを貰えます。これがミクロの次元です。

[ad]

2、売国のリスク、愛国のメリット

 さて、これだけだと売国が最良の選択に見えてきますね。そこで、売国奴には大小二つのリスク、愛国者には大小二つのメリットが与えられています。

(1)売国のリスク

 売国奴が過半数を超えた場合、国家破綻します。その時、売国奴は0コインです。一方で、愛国者には復興資金として1コインが与えられます。これが小さなリスクです。

 さらに、同じ国の人は売国奴だと思った人を告訴することができます。告訴が成功した場合、売国奴は5コインを告訴成功者に払わなくてはいけません。初期の配布コインが10コインですから、大きなリスクです。

(2)愛国のメリット

 愛国者にはメリットが与えられています。全員愛国者のとき、愛国ボーナスとして1 コイン与えられます。これが小さなリスクです。

 先ほど、告訴の仕組みを説明しましたが、実は愛国者のみに告訴する権利が与えられています。告訴が成功したら売国奴から5コイン貰えます。告訴失敗にペナルティーはありません。ただ、告訴は成功失敗に関わらず1度しかできないです。

(3)状況整理

 整理するとこうなります。引き分けについては公式ルールに記述がなかったので書きませんでした。

<自国内情勢><戦争><愛国者のコイン><売国奴のコイン>
全員愛国+1 売国奴なし
愛国過半数勝利+1+3
 敗北0+3
愛国過半数いない
(国家破綻)
+10
    
※告訴成功 告訴成功者のみ+5―5

数学嫌な人は、第4節:情報戦に飛んでください!

[ad]

3、売国か愛国かどちらが合理的か?

(1)期待値モデル

では、売国か愛国かの選択はどちらが合理的でしょうか?

 愛国者戦略を基準に他の人とどれだけ差をつけられるか?について、期待値の考え方を使って考えてみます。

相対的コイン獲得の期待値

= (パターンAでの獲得コイン数)×(パターンAが起こる確率)

+(パターンBでの獲得コイン数)×(パターンBが起こる確率)

・・・

+(パターンラストでの獲得コイン数)×(パターンラストが起こる確率)

そして、

売国の期待値と、愛国の期待値

を比べて、多い方を選ぶのが合理的です。

[ad]

(2)売国した場合の期待値

売国した場合の期待値を求めます。

パターンA=全員愛国・・・売国した場合、考慮しなくて良い

パターンB=愛国過半数かつ勝利・・・売国3コインー愛国1コイン/2国=2.5コイン、確率b

パターンC=愛国過半数かつ敗北・・・2.5コイン、確率c

パターンD=国家破綻・・・売国0コインー愛国1コイン= ー1コイン、確率d

パターンE=告訴される・・・告訴成功者に対して-10コイン、他の人に対して-5コインだから、総合すると「ー6コイン」程度、ある人の告発成功確率e×自分以外の自国民人数

よって、

売国した場合の期待値

=2.5×(戦争勝利確率b+戦争敗北確率c) ー国家破綻確率d ー6×ある人の告発成功確率e×自分以外の自国民人数

 この式が意味することは、売国奴は(b+c)を上げるため、dを下げるために

  • 「お前ら、愛国しろよ」ということが合理的であること

 そして、意思決定をめぐる最大の鍵は

  • 告発されるリスク (6コイン×告発成功確率e)をどう見積もるか

であることが、定量的にわかるのです。

[ad]

(3)愛国した場合の期待値

愛国した場合の期待値を求めます。

パターンA=全員愛国・・・相手国とは1差をつけられて、自国民とは差をつけられないので0.5コイン、確率a

パターンB=愛国過半数かつ勝利・・・0.5コイン、確率b

パターンC=愛国過半数かつ敗北・・・0.5コイン、確率c

パターンD=国家破綻・・・0.5コイン、確率d

パターンE=告訴される・・・売国奴に対して+10コイン、他の人に対して+5コインだから、総合すると「6コイン」程度、自分が告発成功する確率e

よって、

愛国した場合の期待値

=(0.5×全員愛国確率a)+(0.5×戦争勝利確率b)+(0.5×国家破綻確率d)+(6×告訴成功確率) ―(0.5×戦争敗北確率c)

=(0.5×全員愛国確率a)+(0.5×国家破綻確率d)+(6×告訴成功確率e)

↑なぜなら、対称性よりb=c

[ad]

(4)売国が合理的な条件

売国が合理的な条件について考えてみましょう。大小関係を比較します。

売国の期待値>愛国の期待値

より

2.5×(戦争勝利確率b+戦争敗北確率c) ー国家破綻確率d ー6×ある人の告発成功確率e×自分以外の自国民人数

>(0.5×全員愛国確率a)+(0.5×国家破綻確率d)+(6×自分の告訴成功確率e)

より

2.5×(戦争勝利確率b+戦争敗北確率c) ー1.5×国家破綻確率d ー6×告訴成功確率e×自国民の数

>(0.5×全員愛国確率e)

ここで、自分が売国奴になると決めれば、全員愛国確率e=0にできますから、

ですので、

2.5×(戦争勝利確率b+戦争敗北確率c) ー1.5×国家破綻確率d ー6×告訴成功確率e×自国民の数

>0

が売国が合理的な意思決定モデルです。

結論です。

問:売国か愛国かの選択はどちらが合理的でしょうか?

答え:

売国が合理的な条件

2.5×(戦争勝利確率b+戦争敗北確率c) ー1.5×国家破綻確率d ー6×告訴成功確率e×自国民の数>0

それ以外の時、愛国が合理的になる

 これが売国と愛国の意思決定の基本的なモデルです。長くなりましたが定性的な直感とほぼ同じですが、ここまで定量的に絞り込むことができました。

[ad]

4、情報戦 〜情報商材の誕生〜

(1)情報戦のスタート

 さて、ここでゲームは新たな次元に突入します。

 実は、ゲーム中、個人チャットは使用可能ですし、ゲームマスターを通じてコインのやり取りも可能です。

 さらに、ルール上、売国奴は、敵国の一人を内通者に指定して、ゲームマスターを通じて、自分が売国奴であることをカミングアウトしなくてはいけません。

 こうして、売国奴情報についての情報商材のマーケットが誕生します。

 情報戦の時代の幕開けです。

基本戦略である愛国者の期待値は約0コインです。そこで、愛国者は売国奴を探します。ここに需要が生まれるのです。

 また、売国奴を知っていたら、情報を売りにかけるはずです。ここに供給が生まれます。

(2)情報の非対称性による市場の崩壊

 ただし、告発は早い者勝ちで、情報の精査をする時間はありません。そこに、売国奴を知っていると嘘をいう詐欺師が生まれます。

 この結果、売国奴情報の信頼度は著しく下がり、正しい売国奴情報は悪い情報商材に埋もれるのです。こうして、情報商材マーケットは情報の非対称性により崩壊します。ここでのコインとやりとりは、詐欺師と情報弱者の間で行われます。

(3)市場崩壊の先に…

 さて、マーケットが崩壊した後は、信頼関係に基づいた関係の中での情報のやり取りへと移ります。ここで大事になってくるのが、その人の「キャラ」です。

 そう、ここでその人が普段どんな振る舞いをしているのかが大事なってきます。賢いキャラなら、信頼関係は結べないでしょう。一方で素直キャラなら信頼関係を結べるはずです。

 愛国・売国の意思決定以外にも、この信頼をコインに変えて売ることができるのです。

5、結論:攻略のセオリー

<売国が合理的な条件>

2.5×(戦争勝利確率b+戦争敗北確率c) ー1.5×国家破綻確率d ー6×告訴成功確率e×自国民の数>0

それ以外の時、愛国が合理的になる

<情報市場>

 情報市場が生まれ、詐欺師が多くなることで早々に崩壊します。そこでプレーヤーのそれぞれの普段のキャラが反映された信用に基づいて、情報交換がされるようになります。

 この二つの要因で、最終的にコインの数が増減します。そして、ゲーム順位が決まるのです。

 すみません。数学苦手なので、経済学部の一年生みたいな考察しかできませんでした。考察は以上です。

残された課題

  • 戦争勝利確率b、戦争敗北確率c、国家破綻確率d 、告訴成功確率eの導出方法=売国のタイミング
  • 情報戦の実際の攻略戦術

雑記ブログ
受験世界史の地図 β版
タイトルとURLをコピーしました