1.利潤最大化【企業理論】

企業理論

 企業が利潤最大化を追求するなら、どのような経営が合理的でしょうか?

 企業を

  • 財・サービスの生産者
  • 労働資本によって生産する
  • 市場価格を受け入れる

という存在とした上で、議論します。

1、経済学は企業をどう捉えるか?

(1)生産関数 〜入力と出力の関係〜

 究極的には、企業とは、生産要素を入力すると生産物が出力されるシステムです。

 このようなシンプルな企業観を、生産関数といいます。

(2)労働と資本 〜入力の単純化〜

 生産要素は多くのモノを含みます。

 店員・作業員・現場監督・工業機械・工場建物・ソフトフェアなどです。

 しかし、具体的に考えていてはあまりに煩雑です。

 そこで、経済学では生産要素を思い切って労働と資本に絞ります。

 労働はヒト、資本はモノです。

 また、労働は賃金、資本は資本レンタル料を払って調達すると考えます。

(4)生産性は低下する 〜出力の性質〜

 さらに重要な仮定をおきます。

 増産すると、生産性が低下していくという原理です。

 同じ人にたくさん給料を払って長時間労働させると生産性は下がります。

 同じ機械をフル稼働させると作業効率は悪くなります。

 こういったよく観察される現象を仮定するのです。

(4)利潤最大化 〜最適化問題〜

 そして、この生産関数の運用には、利潤最大化という原理が働くと考えます。

 利潤とは、次のように表せます。

 ですので、収入と費用の兼ね合いで、生産量を決定します。

 では、どのように生産量を決定するのでしょうか?

 これがこの記事のテーマです。

2、出力から利潤最大化を考える

(1)供給側視点での利潤最大化

 利潤最大化には何が必要しょうか?

 ここで、シンプルな理解をするために、さきほどの生産性低下が威力を発揮します。

 新しく増産するには、生産要素を追加しなくてはいけません。

 もちろん、これには対価が払われえますが、休養がしっかりとれた労働や新品の機材はどんどん少なくなってきます。

 ですので、1単位増産するために追加すべき費用はどんどん増えてききます。

 この1単位増産するために追加すべき費用を

  • 限界費用MC

といいます。

 これと1単位増産による追加される収益を比較して、生産量を決定するのです。

 要は、生産能力との兼ね合いで、生産量を決めます。

「頑張らなさすぎ」もよくないですが、「頑張り過ぎ」もよくないのです。

 これが供給側の視点です。

(2)需要側はサラリとスルーする

 しかし、作っても売れなければ意味がありません。

 ここに需要側の視点(消費者側の視点、マーケター的視点)が必要になってきます。

 経済学ではどう捉えるのかというと、、、ざっくりシンプルに捉えます。

  • 市場価格で売り出せば、必ず買い手がつく

という全国の経営者びっくりの仮定です。

 これを完全競争市場の仮定と言います。

 ただ、これはこれから見ていく企業活動をシンプルに理解するためですので、ここでは完全競争の世界観を一度受け入れてください。

 完全競争のとき、1単位追加生産したときに、追加して得られる収入は

  • 限界収入=商品価格×1単位=商品価格

となります。

※企業に価格決定力がある場合は、独占や寡占の議論で取り上げます。

(3)限界収入と限界費用

 すると、追加的に1単位増産すると、経営状態がどう変わるのか?を考えましょう。

 1単位増産すると、

  • 限界収入=商品価格p
  • 限界費用=【賃金率w】×【1単位増産に必要な労働】

となります。

 このとき、両者を比較するとつぎのようなグラフが描けます。

 限界収入は、生産量にかかわらず一定です。

 限界費用は、生産性悪化に伴い、どんどん1単位増産に必要な労働力が増えていくので、右上がりになります。

 利潤は収入から費用を差し引いたものですから、青から赤を引いたものが利潤になります。

 下図をみればわかるように

  • 限界収入=限界費用となる生産量

で利潤が最大化します。これが最適生産量です。

3、入力から利潤最大化を考える

 以下の部分はただいま改良中で未完全です。

(1)生産性とはなにか?

 ここで、一度脱線して、生産性について考えてみます。

 労働生産性はどのように考えるべきでしょうか?

 一般的に考えられるのが

  • 労働生産性=生産÷労働

です。しかし、ここではより細かく「労働1単位追加投入したときにどれくらい増産できるか?」という労働の限界生産性という概念を導入します。

 グラフにすると次のように考えることができます。

 上図をみると、労働生産性は、生産関数の接線の傾きです。

 これは数式的には微分に相当しますから、次のようにかくこともできます。

(2)利潤最大化

 

(3)利潤最大化の条件

 以上を踏まえると、次のように利潤最大化条件を整理できます。

 なんだか3つもあって面倒ですが、全部同じことを言ってます。

(4)利潤最大化の必要条件

 ところで、いままで労働しか議論してきませんでしたが、資本についても同じことが言えます。

 ですので、利潤最大化では少なくとも次の条件は必ず成り立っています。

(補足)試験では

 なお、試験で使われる単純な生産関数では、上の式を用いれば最適生産量は一意に定まります。

 安心して、計算すればいいです。

5、数学でシンプルに表記する

 ずいぶんと長く解説してきましたが、数学を用いると次のようにシンプルかつ明瞭に理解することができます。

  • L:労働
  • K:資本
  • p:商品価格
  • w:賃金率
  • r:資本レンタル料
  • f(L,K):生産関数
  • max L,K π:πを最大にするLとKを求める
  • ∂:偏微分の記号