ロマネスク建築/ 西洋建築史【第4章】

建築史
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「てれすこーぷ。」管理人のしまうまです。今回はロマネスク建築についてです。

  • ロマネスク建築の特徴
  • 代表作(ピサ大聖堂、クリュニー大聖堂、ヴォルムス大聖堂)
  • 代表作に関わる歴史的なイベント

について解説します。

1、 ロマネスク建築とは 

 ロマネスク建築は11世紀から12世紀のヨーロッパで流行した建築様式です。

 ロマネスク(英語:Romanesque)は「ローマ風」のという意味です。しかし、古代ローマ帝国が滅びてから、1000年近く経っており、ここには「堕落したローマ風」のというようなネガティブなニュアンスが込められていました

 しかし、20世紀になると、この時代の歴史的建築物の価値が再評価され、いまではそのようなニュアンスはありません。

 もう一つの中世ヨーロッパの代表的建築様式であるゴシック建築と比較すると、ロマネスク建築の特徴は小さな窓に円形アーチが意匠の特徴です。

2、代表作3選と歴史的イベント

 ここからは、ロマネスク建築の代表作について解説します。

(1)ピザ大聖堂 

 はじめはピサ大聖堂(イタリア)です。窓は小さく、円形アーチであることがわかると思います。奥に見えるピサの斜塔は日本でも有名です。

ピサ大聖堂(José Luiz Bernardes Ribeiro, 2014, CC, ○)(wiki)

 この大聖堂は、11世紀イタリアの都市共和国ピザの繁栄を物語っています。

 当時のピサは、地中海の海運を牛耳る強大な海軍国家でした。ナポレオンが生まれたコルシカ島(フランス)、サルデーニャ島(イタリア)にも拠点を置いていました。

 11世紀末の第一回十字軍にも参加し、イスラーム教徒がいる地中海東岸に植民し、東ローマ帝国のコンスタンティノープルにもピサ人居住区を持っていました。

 このピサの威信をかけて、作られた建築が このピサ大聖堂です。

(2)クリュニー大聖堂 

 次はクリュニー大聖堂(フランス)です。こちらはあまり有名ではありませんが、バチカンのサン=ピエトロ大聖堂 が完成するまでヨーロッパ最大の宗教建築物でした。

クリニュー大聖堂(パブリック・ドメイン, ○)(wiki)

 なぜクリュニー大聖堂が、バチカンよりも大きな建物を持っていたのでしょうか?それはクリュニー修道院が、堕落した聖職者を批判する中世の修道院運動のリーダーであり、修道院1200、修道士2万を管轄下におく巨大組織であったからです。

 しかし、もともと聖職者の堕落を指摘することでリーダーとなったのに、逆に自分自身が豪華になってしまいました。シトー派修道会の台頭もあり、次第に求心力を失っていきました。

 衰退が決定的になったのは、19世紀末のフランス革命でした。フランス革命は、第一身分である聖職者、第二身分である貴族の特権階級の打破を目的としていました。このため、クリュニー大聖堂は破壊され、いまでは最盛期の10%ほどしか残っていません。

(3)ヴォルムス教会堂

 ヴォルムス教会堂(ドイツ)はあまり有名ではありませんが、ロマネスク建築の中で個人的に一番好きです。かわいいのがその理由です。

wiki

 そしてここで起きた有名な歴史的出来事が2つあります。

 1つ目は叙任権闘争が終結したヴォルムス協約が結ばれたこと

 2つ目は ドイツ宗教改革を起こしたルターが異端とされたヴォルムス帝国議会が開かれたこと

です。叙任権闘争と宗教改革の舞台となったこのヴォルムス教会堂は、キリスト教史にとって非常に重要な地といえます。