労働供給 / 労働と余暇の選択問題

消費者理論

 人はなぜ労働するのでしょうか?

 簡単にいえば食っていくためですが、でしたらそんなに稼ぐ必要はありません。

 ここで、効用最大化問題として定式化する必要が生まれます。

 ここでは、無差別曲線の議論に基づいて考えます。

1、労働供給の定式化

(1)労働と余暇

 労働供給を考える上で最も重要であるのが、

  • 【労働】=【1日】ー【余暇】

と見なすことです。これを変形して

  • 【余暇】=【1日】ー【労働】

とすると、労働供給は「余暇X」と「一般財Y」との2財をめぐる予算制約下の効用最大化問題の解と解釈できます。

(2)予算制約

 予算制約は、1日すべてを労働に費やすことですので

  • 【予算I】=【賃金w】×【24時間】

です。

 余暇Xの値段は労働しないことで失われる賃金w、消費財Yの値段は物価pです。

 したがって、予算制約は

  • 【予算I】=【賃金w】×【余暇X】+【物価p】×【消費財Y】

です。

(3)効用関数

 効用は、余暇Xと消費財Yの消費量で決まるとしましょう。

 すると、効用関数u(X,Y)を想定できます。

 余暇と消費財はともにgoodsですので、通常の無差別曲線を描くことができます。

 こうして、労働供給の定式化ができました。

2、効用最大化

(1)無差別曲線での理解

 ここで予算制約下での効用最大化をおこないます。

 すると、下図のように無差別曲線と予算制約線が接するように、消費・余暇・労働が決定します。

 予算制約線の傾きは、w/pですので実質賃金率です。

 無差別曲線の傾きは、限界代替率です。

(2)式での理解

 これを数式で考えると次のようになります。

 赤い部分に注目して、賃金の限界効用と労働の限界不効用が釣り合う点で労働供給が決まるという理論を、ケインズは古典派の第二公準といいました。

4、賃上げの影響

(1)所得効果と代替効果

 労働供給については面白いことがわかっています。

 賃上げしすぎると、労働供給量が逆に下がるのです。

 なぜでしょうか。

 これは「当初、賃金上がると余暇が減るが、その後、賃金上がると余暇が増えること」を説明すれば良いです。

 当初は余暇の値段(賃金)が上がると、割高になった余暇から割安になった消費へと代替されます(代替効果)。

 これは少しお金を稼げるようになった大学生がたくさん働くようになるようなものです。

 しかし、賃金が十分に上がると、もはや嫌な思いをして働くより、楽して生きようとなります(所得効果)。

 これは株の配当などで暮らしている人に当てはまります。 

(2)労働供給曲線の後方屈曲性

 上記の結果をグラフにすると次のようになります。

 これを労働供給曲線の後方屈曲性といいます。