7.どれくらい労働すべきか?【消費者理論】

 人はなぜ労働するのでしょうか?

 簡単にいえば食っていくためですが、でしたらそんなに稼ぐ必要はありません。

 ここで、効用最大化問題として定式化する必要が生まれます。

 ここでは、無差別曲線の議論に基づいて考えます。

1、労働供給の定式化

(1)労働と余暇

 労働供給を考える上で最も重要であるのが、

  • 【労働】=【1日】ー【余暇】

と見なすことです。これを変形して

  • 【余暇】=【1日】ー【労働】

とすると、労働供給は「余暇X」と「一般財Y」との2財をめぐる予算制約下の効用最大化問題の解と解釈できます。

(2)予算制約

 予算制約は、1日すべてを労働に費やすことですので

  • 【予算I】=【賃金w】×【24時間】

です。

 余暇Xの値段は労働しないことで失われる賃金w、消費財Yの値段は物価pです。

 したがって、予算制約は

  • 【予算I】=【賃金w】×【余暇X】+【物価p】×【消費財Y】

です。

(3)効用関数

 効用は、余暇Xと消費財Yの消費量で決まるとしましょう。

 すると、効用関数u(X,Y)を想定できます。

 余暇と消費財はともにgoodsですので、通常の無差別曲線を描くことができます。

 こうして、労働供給の定式化ができました。

2、効用最大化

(1)無差別曲線での理解

 ここで予算制約下での効用最大化をおこないます。

 すると、下図のように無差別曲線と予算制約線が接するように、消費・余暇・労働が決定します。

 予算制約線の傾きは、w/pですので実質賃金率です。

 無差別曲線の傾きは、限界代替率です。

(2)式での理解

 これを数式で考えると次のようになります。

 赤い部分に注目して、賃金の限界効用と労働の限界不効用が釣り合う点で労働供給が決まるという理論を、ケインズは古典派の第二公準といいました。

4、賃上げの影響

(1)所得効果と代替効果

 労働供給については面白いことがわかっています。

 賃上げしすぎると、労働供給量が逆に下がるのです。

 なぜでしょうか。

 これは「当初、賃金上がると余暇が減るが、その後、賃金上がると余暇が増えること」を説明すれば良いです。

 当初は余暇の値段(賃金)が上がると、割高になった余暇から割安になった消費へと代替されます(代替効果)。

 これは少しお金を稼げるようになった大学生がたくさん働くようになるようなものです。

 しかし、賃金が十分に上がると、もはや嫌な思いをして働くより、楽して生きようとなります(所得効果)。

 これは株の配当などで暮らしている人に当てはまります。 

(2)労働供給曲線の後方屈曲性

 上記の結果をグラフにすると次のようになります。

 これを労働供給曲線の後方屈曲性といいます。

消費者理論
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しまうま
しまうまだよ
まれびと2008
わかりやすいです!
まれびと2030
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まれびと2030
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まれびと2030
ねむい
まれびと2030
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まれびと2030
おおおおおーーーいいい
まれびと2030
授業ねむい
しまうま
2008さんありがとうございます!
しまうま
2030さん、は〜い笑
まれびと3295
こんにちは^ー^
まれびと3498
やっはろー
しまうま
3295さん、3498さん、こんにちは〜
まれびと5147
めっちゃ分かりやすい
まれびと5147
大学の先生より分かりやすい
しまうま
5147さん、ありがとうございます!ウレシイ!どちらの記事でしょうか?
しまうま
みなさまもぜひコメント残していってください
まれびと9305
正の外部性を内部化する為の補助金は、何故私的最適均衡点でなく社会最適均衡点に合わせて出されるのですか?補助金で外部経済が内部化されるのはわかりますが、初めにあった死荷重はどうなった?外部経済・死荷重にも重ならない分の補助金(右端の三角形)はどうなるんです?ご教授下さい…
しまうま
9305さん、ご質問ありがとうございます。ご質問3点は、正の外部性のページにある図4〜図8を順番に見ていただければ解決すると思います。1点目は図4〜図8、2点目は図4・図5・図7、3点目は図4・図7が対応しています。
まれびと4054
賃金に所得税が課されると労働時間はどうなるでしょうか?
しまうま
4054さん、コメントありがとうございます。結論からいえば、「場合による」が答えになります。合理的な労働者目線で、所得税課税は賃下げと同義です。単純にみれば、労働のインセンティブが減るので、労働時間が減ります※1。これがスタンダードな結論です。しかし、無差別曲線理論では、賃下げで労働時間が増える合理的な行動の存在を予想しています※2。労働曲線の後方屈曲性という現象です。例えば、時給5000円で月8時間家庭教師する東大生が、国に時給当たり所得税3000円を徴収されたら、生活水準を維持するために労働時間を増やすでしょう。もともと月4万円のバイト収入があったのに課税で1.6万円になったのでは、デート回数を減らすことになるのだから仕方ありません。これは所得税課税で労働時間が伸びる例です。他の
しまうま
賃金と労働時間に関する興味深い例(こちらは所得税とは関係ありませんが...)にはニューヨークのタクシー運転手の例があります。彼らは時給が上がると、労働時間を減らすらしいのです。面白いですよね。なお、※に対応する当ブログ記事は※1→「https://info-zebra.com/koyo-kettei/」、※2→「https://info-zebra.com/roudo-kyokyu/」です。
しまうま
みなさまもぜひコメント残していってください。近況とか聞きたいです
まれびと14623
おはよー
しまうま
14623さん、おはようございます!
まれびと16226
負の外部性の記事で、常体と敬体がごっちゃになっています。
しまうま
16226さん、ご指摘ありがとうございます。修正しました。
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しまうま

<自己紹介>
 万人の共通言語となる世界観を追い求めて、ブログを執筆しています。
 
<経済学について>
【可能性】万人にとってよい社会を構想する共通言語になりうる
【長所1】個別的な議論を排し、統一的に説明する
【長所2】ゼロかイチかの極論を排し、最適点を導く
【長所3】独善的あるいは自傷的な社会通念を排し、価値観や能力の多様性を重視する
【短所】体系的な知識が必要であり、難しい

しまうま経済学研究所
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