2.黒字化の達成【企業理論】

企業理論

 費用の内実は見ずに、総費用と企業行動について考えます。

 具体的には

  • 黒字化
  • 事業参入
  • 事業撤退
  • 利潤最大化

について考えます。

1、生産量から考える経営状態

(1)収入

 収入と生産量の関係は次のようにあらわせます。

  • 【収入R】=【価格p】×【生産量Y】

 ここで生産量が変わっても、価格が変わらないとしましょう。

  • 完全競争市場で、価格設定を変えられない
  • 価格支配力はあるが、価格設定を変えない

の場合です。

 すると、下図のように収入は、生産量に比例します。

(2)費用

 さて、次は費用です。総費用は

  • 固定費用:生産量と関係なく生まれる。機材費、ソフトウェア費など

  • 可変費用:生産量に応じて増える。人件費など

を足したものです。

 生産量に応じて、可変費用はどんどん増えていくので、総費用も増えていきます。

 ここで重要なのが、生産量が増えていくと、だんだん生産性が落ちていくということです。

 すると、1単位増産するための追加的なコストがかかるようになります。(限界費用逓増の法則)

 すると、下図のように総費用の伸びは徐々に加速していきます。

※生産量を決まると総費用が決まるというのは、おかしいですよね?実は総費用関数には「生産量Yを実現するための最小の総費用関数」というコトバが隠れています。

(3)利潤=収入ー総費用

 ここで企業にとって最も重要な利潤を考えます。

  • 利潤=収入ー総費用

ですから、下図のように利潤を表すことができます。

(補足)機会費用の扱い

※大事なところですが、興味ある人だけ読んでください。

 ところで、大学の経済学では、機会費用も習います。

  • 総費用=固定費用+可変費用

ですから、総費用には含まれていないようにみえます。

 ただ、機会費用は生産量に応じて変わりませんから、固定費用とみなせるのです。

2、黒字化とは何か

 さて、企業を立ち上げた赤字に苦労します。

 赤字とは、費用が収入を上回って、お金が自社から流出している状態です。

 当面の目標は、黒字化になります。

 黒字とは、収入が費用を上回って、お金が自社に入ってくる状態です。

 この赤字と黒字を分つ点を、損益分岐点といいます。

 これは下図のように描けます。

 下図の場合、損益分岐点の右側にいけば利潤増大の局面へ移行できます。

 

3、利潤最大化

 さきほどは黒字や赤字についての議論をしましたが、

 生産性が下がっていくならある水準にまでいけば、費用が膨大になり、2つ目の損益分岐点に達します。

 この場合、次のような増減表を書くことができます。

生産量1つ目の損益分岐点利潤最大点2つ目の損益分岐点
増減
利潤0Max0

 これを踏まえて、グラフ化すると、下図のようになります。

 このとき

  • 価格p=限界費用MC

になる点で利潤が最大化されるのです。

 要は「1つ作ると追加される収入と費用を見つつ、生産量を決めるべき」ということです。