【映画】戦場のピアニスト / 第二次世界大戦

世界史映画
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 戦場のピアニストを解説します。戦場のピアニストは、第二次世界大戦のときのユダヤ人についての映画です。

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1、あらすじと評価

あの名作をデジタルリマスター版で!映画『戦場のピアニスト』予告編
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あらすじ

 人気ピアニストのシュピルマンは、ラジオ曲からポーランド国民に音楽を届けていた。そのとき、突如、砲撃音が響き渡った。

 時は、1939年。ヒトラーのナチス党率いるドイツ軍のポーランド侵攻であった。

 1か月あまりでドイツ軍はポーランドを占領。

 外国軍による占領だけで屈辱的だが、運の悪いことにナチス党はユダヤ民族絶滅を方針としていた。

 そして、シュピルマンはユダヤ人だった。

 この映画は、6年に及ぶ長い占領期の実在した人物シュピルマンの体験をもとにした物語である。

映画の評価

  • 映画の面白さ

⭐⭐⭐⭐

 迫害される側から見た戦争映画です。文明国ドイツが行った割と最近の迫害がリアリティーを持って描かれています。

 自分がもし迫害される側であったらどうだろう?同じく文明人たる日本人が迫害する側になる可能性はあるのな?という大きな問題が横たわってます。

 『戦場のピアニスト』はインテリウケするタイプの映画です。私が「面白さ」を星4にしたのは見栄を張ってるからです。

受賞内容:カンヌ映画祭のパルムドール。アカデミー賞3部門(監督賞・脚色賞・主演男優賞)

  • 高校世界史お役立ち度

 第二次世界大戦下のポーランドの映画であって、受験で出てくる知識はあまりない。

 ただ、ユダヤ人に関することは下でまとめたのでこれを機会に見ておくといいと思う。

  • リアリティー評価
史実に従っている
史実をもとにしたフィクション
(主人公は実在の人物がモデル、社会情勢も反映)
史実をもとにしたフィクション
(社会情勢のみが反映)
過去の文化を利用したフィクション
とても脚色が多い
風刺・寓話の要素が強い

2、高校世界史の事項

(1) 第二次世界大戦の経過

第二次世界大戦の経過
  • 1939年9月
    ドイツがポーランドに侵攻

     ドイツが東にあるポーランドに侵攻した。これが第二次世界大戦の開始である。

  • 1939年10月
    ドイツがポーランドを制圧

     ドイツ軍は瞬時にポーランドを占領した。

  • 1941年
    独ソ戦の開始

     当初、友好関係にあったソ連とバルカン半島を巡り対立。仲違いし、独ソ戦が開始された。

     最終的にワルシャワを解放したのは、アメリカ軍ではなくソ連軍である。

  • 1942年
    ワルシャワ=ゲットー30万人の移送

     シュピルマンのいたワルシャワ=ゲットーから30万人が移送された。

     これによりワルシャワ=ゲットーは空になった。

  • 1943年
    ワルシャワ=ゲットー蜂起

     ワルシャワ=ゲットーで蜂起がおきた。しかし、鎮圧された。

  • 〜1944年
    ポーランドの90%のユダヤ人が虐殺

     1944年までにポーランドの90%のユダヤ人が虐殺された。

  • 1945年5月
    ドイツ無条件降伏

     1945年4月30日、敗色濃厚の中、ヒトラーが自殺。

     その後、ドイツは無条件降伏した。

(2) ヒトラーの躍進の流れ

背景:第一次世界大戦でドイツは敗戦。復興のためにアメリカに依存していた

原因1:1929年、ニューヨークでバブルが崩壊。世界恐慌が発生。ドイツ経済を壊滅させた。

原因2:イギリス・フランス・アメリカは、植民地と本国以外の貿易制限により国内経済を守ろうとした(ブロック経済)。植民地を持たないドイツは対処できなかった。

原因3ヒトラーは、破綻した経済に苦しむドイツ国民に「世界で最も優れたゲルマン民族」と呼びかけ、圧倒的なカリスマ性を発揮。

結果:ヒトラーは、民主的な選挙を通じて国政を握り民主的な立法により独裁体制を築いた(全権委任法)。

戦後の対処:ブロック経済が世界大戦を引き起こした反省から、「自由貿易体制」を築く方向となり、現在に至る。

3、ユダヤ人虐殺について

(1) ユダヤ人差別の背景

ユダヤ人とは?:ユダヤ教を信じる民族。キリスト教徒でないことが重要。故郷を、2000年ほど前に失い、亡国の民となっていた。

キリスト教におけるユダヤ人:イエス=キリストを処刑した民族。当然、キリスト教徒からの印象が悪い。ただ、イエス=キリスト本人はユダヤ人である。

ユダヤ人の職業:代表的な職業は金貸し。理由は、第四回ラテラノ会議(1215年)で、キリスト教徒の利子徴収が禁止されたこと。これにより、ユダヤ人が金貸しに参入。結果、「ユダヤ人=汚い金貸し」のイメージが生まれた。

近代のユダヤ人:ユダヤ人には高所得者が多く、一部は財閥として大成功した。不況下でユダヤ人差別は高まった。

ユダヤ人の有名人

  • アインシュタイン:相対性理論を発表し、ニュートン以来の古典物理学に革命を起こした。
  • カール=マルクス:資本主義を批判し、階級闘争を思想的に指導。ソ連や中華人民共和国などのイデオロギーの基礎を作った。
  • フロイト:無意識を発見。合理的な思考に基づく近代的な人間像を破壊した。
  • リカード:比較優位論を提唱。自由貿易を肯定し、従来の貿易観を一新した。
  • オッペンハイマー:原子爆弾の開発に成功。極小物質から破滅的な量のエネルギーを取り出した。
  • スピルバーク:映画監督。代表作は「ジョーズ」「ET」「未知との遭遇」「インディ・ジョーンズ」「ジュラシックパーク」。
  • ラリー・ペイジと、セルゲイ・ブリン:Googleの創業者。
  • ザッカーバーク:Facebookの創業者。
  • イエス=キリスト:2000年前にキリスト教を創始した。

(2) ナチスのユダヤ虐殺

  • ホロコースト

 ヨーロッパに行って知らないと、本当にバカにされる単語その1。この映画では出てこないけど、絶対に知っておいた方がいい。

 「第二次世界大戦のとき、ナチス党が率いるドイツがユダヤ人を計画的に虐殺したこと」と知っていれば問題なし。

 虐殺者数は諸説があるが、500万人ほど。

  • アウシュビッツ強制収容所

 ヨーロッパに行って知らないと、本当にバカにされる単語その2。

 「ホロコーストで、虐殺されて場所として最も有名な場所」と知っておけば問題なし。ここで120万人が虐殺された。

(3) 身近かもしれないホロコースト

 これは高校世界史の範囲外です。ホロコーストは、「文明人」を自負していた欧米の知識人に衝撃を与えました。

 欧米人は、ホロコーストを残虐な人格破綻者の所業として処理しようとしました。しかし、「ホロコーストは極めて平凡な人物によって進められた」という分析が発表されました。

 ハンナ=アーレント(ユダヤ人女性)の『エルサレムのアイヒマン 〜悪の陳腐さについて』です。

 アーレントによると、自分の職務を忠実に遂行していた「普通の人間」が、巨大組織ドイツの悪行に無神経になった結果、引き起こされたとしました。

 さらに、心理学の分野で、ミルグラム実験スタンフォード監獄実験から人間は、権威があると悪にも手を染めてしまう可能性が強く示唆されました。

 ホロコーストは、残虐でない人間が残虐なことをする実例とも言えるのです。つまり〜潜在的には〜私やあなたがホロコーストの実行者となる可能性があるということです。

 「怖い」と思う方も多いでしょう。この「怖さ」が戦後のヨーロッパの人々の気持ちです。

 

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