効用水準下での支出最小化

消費者理論

 最適消費というと、予算制約下での効用最大化が思い浮かびます。

 しかし、合理的な消費者は「コスパよく買い物する」という行動原理も持っています。

 これが支出最小化です。

 ただ、究極のケチは1銭もお金を払わない人ですが、これでは生活できません。

 そこで、効用水準を維持しつつ、支出を最小化しようとします。

 これについて考えていきます。

1、支出最小化と無差別曲線

 さて、消費者の合理的な行動を理解するには、2財モデル無差別曲線がわかりやすいです。

 効用最大化問題では次のようなグラフを用いました。

 効用最大化では予算制約線を固定して考えました。

 しかし、支出最小化では効用水準を一定とみて、予算制約線を並行移動させます。

 下図をご覧ください。

 消費計画Bが、効用水準を保ちつつ支出最小の消費計画であることがわかります。

 そして、消費計画Bのとき、無差別曲線と予算制約線は接しています。

 つまり、限界代替率=価格比が成立しているのです。

2、双対性

 限界代替率=価格比は、効用最大化の条件でもありました。(←「効用最大化」)

 したがって、効用最大化と支出最小化は、合理的な消費者の裏表の行動であることがわかります。

 この2つの関係性を双対性と言います。

 無差別曲線のグラフでみると、理解できます。

 予算制約下での効用最大化は、つぎのような行動です。

 一方で、効用水準下での支出最小化はつぎのような行動です。

 ともに、最適消費をするための裏表の関係にあることがわかるでしょう。

3、ラグランジュの未定乗数法

 ここで、支出最小化問題を定式化して考えてみましょう。

 すると、次のように考えることができます。

前提知識は

です。