4.市場の調整過程と安定性【需要と供給】

 余剰分析によって、市場均衡需要曲線供給曲線の交点)で社会厚生が最大になることがわかりました。

 では、市場均衡から外れていた場合、自動的に市場均衡は取り戻されるのでしょうか?

 調整過程を考えることで、市場の安定性(=自動的に市場均衡が達成されるかどうか)を議論します。

1、価格調整の場合

 価格に応じて、需要と供給が決まるとしましょう。

 すると、需給の不均衡は、価格調整によって解消されようとします。

 これがワルラス的調整過程です。

 ワルラス的調整過程の場合、

  • 超過供給で値下げすると、需給不均衡が減少する
  • 超過需要で値上げすると、需給不均衡が減少する

とき、どんどん均衡へ近づいていきます。

 次の場合を考えてみましょう。

 3つの需給均衡点がありますが、そのうちワルラス安定なのは2つだけです。

 真ん中の均衡点は、少しでも価格がズレるとどんどん均衡からずれていってしまいます。

 ここでコラムです。

 ワルラス的調整過程とマーシャル的調整過程を混同することがあると思います。

 そのときは、「ワルラスの競り人」という単語を思い出して、「価格調整はワルラスだ」と考えてください。

 ワルラスの競り人は、需要と供給をみて市場価格を決める謎の主体です。

 完全競争では、需要側も供給側もプライステイカーですから、需給不均衡でも価格を変えられません。

 そこで、需要側でも供給側でもないが価格を変える力をもった第三者を、想定しなくてはいけません。

 これがワルラスの競り人です。

 「競り」ですから、「98万円…99万円…100万円。はい、需給均衡しました。価格は100万円です」とやります。

 どうみても価格調整です。

2、数量調整の場合

 数量に応じて、生産者が売りたい価格と、消費者が買う価格が決まると考えましょう。

 すると、需給の不均衡は、数量調整によって解消されようとします。

 これがマーシャル的調整過程です。

 マーシャル的調整過程の場合、

  • 超過供給価格で減産すると、需給不均衡が減少する
  • 超過需要価格で増産すると、需給不均衡が減少する

とき、どんどん均衡へ近づいていきます。

 次の場合を考えてみましょう。

 3つの需給均衡点がありますが、そのうちマーシャル安定なのは2つだけです。

 真ん中の均衡点は、少しでも数量がズレるとどんどん均衡からずれていってしまいます。

 これがマーシャル不安定です。

3、期間ごとに数量調整

 マーシャル的調整過程と同じように、「数量に応じて、生産者が売りたい価格と、消費者が買う価格が決まる」。

 ただし「数量調整は今期の需要者価格をみて、来期に行われる」と考えます。

 これが蜘蛛の巣調整過程です。

 次のように調整が行われ、蜘蛛の巣に似ています。

 蜘蛛の巣調整過程の特徴は、不安定になりやすいことです。

 ワルラス的調整過程やマーシャル的調整過程では、通常の需給曲線のパターン

  • 需要曲線は右下がり
  • 供給曲線は右上がり

では、必ず安定性を持っていました。

 しかし、蜘蛛の巣調整過程では

  • 供給曲線の傾きの絶対値>需要曲線の傾きの絶対値

のときでないと、安定性を持てません。

 価格に供給側が反応しすぎると、下のように不安定になります。

3、結論

 結論としては、市場均衡が安定的でない可能性がある

  • 需要曲線は右下がり
  • 供給曲線は右上がり
  • 単純な価格調整or数量調整

通常パターンでは市場均衡は安定と結論できます。

 やはり、基本的には市場に任せて、社会的余剰を最大化するのがよいのです。

 そして、これが有名な「神の見えざる手」というものです。

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交流スペース(感想など!)
読者127642
読者127642
社会における学校の役割って何でしょうか
読者127642
レポートにまとめないといけないのですが、序論から思いつきません(´;ω;`)
しまうま
127642さん、コメントありがとうございます。最重要な視点は「⓪親はなぜ十分な教育を子供に与えることができないのか?」という問いです。すぐに思いつく答えは「⓪親は質の高い教育ができないから」ですが、「①昔のように家を継ぐ場合」はそんなことないですし、「②できなければ家庭教師をつければいい」のです。
しまうま
となると、①から「①現在は高度な産業社会で職業の自由があること(需要)」、②から「大人数で教育することで費用を分担する(供給)」という存在理由が見えてきます。
しまうま
しかし、なら私立学校で十分です。公立学校の存在意義を考えるには、「③教育の効果を親が過小評価しがちなので「賢い政府」が適切な教育を施す必要がある(効率性)」「④教育の効果を把握していても貧しい親は教育費用を負担できず不公平が生まれる(公平性)」というのも大きな理由です。
しまうま
とはいえ、一番書きやすいのは①でしょう。近代化による産業の高度化、公教育の開始などについて調べてみてはいかがでしょうか?
読者127642
返事がいただけるとは思ってなかったです(´;ω;`)ありがとうございます!ちなみに、先生から出されたテーマがその社会における学校の位置づけ あるいは 学校の中で生活することが個々人にとってどのように機能しているか なんですが、そのテーマから問題を探すんですか(@_@。? レポートを書くのが初めてで何もわからなくてすみません(;_;)
しまうま
いえいえ、コメントいただけると嬉しいので笑 前者のテーマでは学歴社会・産業社会・文化の継承、後者は青春の思い出・人格形成・社会人になる準備みたいな視点がぱっと思い浮かびますね。1〜2枚程度の軽いレポートでしたら割と適当に書いてよいと思います。
読者127642
1~2枚くらいでいいんですが、軽く適当にがわからなくて(´;ω;`)
しまうま
図書館の「教育」のコーナーに行って、2〜3冊くらい借りて読んでみてください。それで論点と理屈と結論が思い浮かんだら、それをレポートに書きましょう。根拠として本や統計の引用をして参考文献録をつけたらレポートの完成です。
読者127642
ありがとうございます!明日学校の図書室に行って本調べてみます(#^^#)
読者127642
しまうまさんみたいにレポートの達人になりたい…
しまうま
ちなみに大学1年生ですか?
読者127642
専門学校1年生です
しまうま
そうなんですね!慣れないレポートで大変かと思いますが、頑張ってくださいねd(^_^o)
読者127642
単位のために!これからも出るであろうレポートと仲良くなるために頑張ります!このサイト作ってくれてありがとうございます(#^^#)
読者134565
TENETの解説わかりやすかったです
しまうま
134565さん、ありがとうございます!
読者147170
うえーい
読者147784
むっずかしい
読者149700
敵があった銃弾の行方だけ分かっていないんですよね。敵の撃った銃弾は後ろ歩きしていったニールに張り付いていたことになるのでしょうか?
しまうま
149700さん、ありがとうございます。ニールは生きていますから、銃弾は貫通してドアに刺さっているはずですというのが答えになると思います。しかし、この問いはテネットの抱える矛盾の一つです。ドアが作られた時に銃弾も一緒に作られていることになるからです。同じような例が高速道路のカーチェイスにあります。ドアのミラーから銃弾が「抜かれる」ようなシーンがありますが、自動車工場でミラーに銃弾を埋め込んで製造したことになります。これは明らかにおかしいです
読者150373
回答ありがとうございます.ニールが庇ったところから貫通していたとすると主人公に結果当たってしまうのではないかといったところも気になりましたが,やはり多少の矛盾は出てきてしまうのは避けられないのかもしれませんね.事象としては理解できました.ありがとうございます.
しまうま
いえいえ、こちらこそコメントありがとうございました!
読者155126
てすと
読者155263
価値観の多様性→能力の多様性
読者161258
わかりやすい!公務員試験対策に活用しています。ありがとうございます。
しまうま
161258さま、ありがとうございます。がんばってください!
読者161940
フランスを追加して欲しい
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