限界収入曲線

経済学用語

 限界収入曲線(Marginal revenue curve)とは、企業が1単位生産を増やしたときに増える収入のことである。

  • 完全競争市場の場合
  • 独占市場の場合(価格差別あり)
  • 独占市場の場合(1物1価)

で限界収入曲線は異なる。

1、完全競争市場での限界収入曲線

 完全競争市場において、企業は市場価格を受け入れるしかないプライステイカーである。

 そのため、1単位生産を増やすと一定の市場価格が収入となる。

 したがって、限界収入曲線は市場価格のところで水平となる。

 

完全競争市場での限界収入曲線

2、独占市場での限界収入曲線(価格差別あり)

 独占市場において、企業は市場価格を操作できる力をもったプライスメイカーである。

 そのため、利潤最大化のために自由に価格を設定できる。

 ここで高くても買いたい人に高い価格をつけ、低くないと買わない人には低い価格をつけられるような価格差別ができるとする。

 このとき、1単位生産を増やすと下の図のように収入が増える。

 したがって、限界収入曲線は需要曲線と一致する。

価格差別ができるときの限界収入曲線

3、独占市場での限界収入曲線(1物1価)

 一方で、独占企業でプライスメイカーとはいえども公平性の観点や情報の非対称性のためにすべての人に同じ価格で売る時を考える。

 これを1物1価という。

(1)2個目の限界収入

 ここで2個目の限界収入を考える。2個目の追加収入は確かに右の緑の長さだが、1個目の収入が目減りする。

 そのため、2個目の限界収入は需要曲線より下になる。

限界収入曲線1

(2)3個目の限界収入

 ここで3個目の限界収入を考える。3個目の追加収入は確かに右の緑の長さだが、1個目と2個目の収入が目減りする。

 そのため、3個目の限界収入は需要曲線より下になる。

限界収入曲線2

 これらを踏まえると、1物1価の独占企業の限界収入曲線は需要曲線の下に位置することになる。

 したがって、限界収入曲線は次のようになる。

限界収入曲線と需要曲線

(4)数学的に考える

 より数学的に考えてみよう。逆需要関数が下のように

  • 価格p=aーb×量q
  • a, b>0

であるときを考える。

限界収入の数学的な導出

 これを踏まえると

  • 需要曲線:p=aーbq
  • 限界収入曲線:p=aー2bq

である。b>0であることを踏まえると、限界収入曲線の傾きは需要曲線より急である。

 そのために、限界収入曲線は需要曲線の下に位置する。