文系にやさしいミクロ経済学

 ミクロ経済学(Microeconomics)は、合理的な意思決定をヒントに社会の全体像を描こうという壮大なプロジェクトです。

 ここから導かれるのは、価値をめぐる体系です。

 概念上は効用・利潤・利得などが使われますが、これらは「価値」をそれぞれの目線で言い換えたのにすぎません。

 また、ミクロ経済学は「すべての人がそれぞれの価値観と能力限界をもって存在している」を出発点に議論をスタートさせます。

 ミクロ経済学は多様な価値観が調和する現実社会を構想するので、万人の共通言語になりうる学問です。

1、社会厚生のための経済学(需要と供給)

【理論】部分均衡分析

(1)重要概念

<市場>

<社会厚生>

(2)市場均衡

  • 市場メカニズム:経済学は資源配分を研究する学問です。価値を生成する供給者から、価値を欲する需要者に、どうすれば効率的に希少な資源を配分することができるでしょうか?経済学者の回答は市場メカニズムです。

(3)社会厚生の分析

  • 余剰分析:市場メカニズムによって需給均衡に達することはわかりました。では、果たして需給均衡は社会にとって「どれほどよい」のでしょうか?ここでは社会厚生を定量的に把握する理論をご紹介します。

(4)不完全競争での経済行動

  • 独占企業の戦略:ある財を生産する企業が1社しかいない場合を独占と言います。価格支配力を持つと言う点で完全競争とは異なります(=不完全競争)。どのような戦略を取るべきかを利潤最大化から導きます。
  • 寡占企業の3大戦略:ある財を生産する企業が少数しかいない場合を寡占といいます。ここでは、2社しかいない場合にとりうる合理的な戦略を3つご紹介します。

【議論】均衡と、よき社会

(1)市場の安定性

  • 市場の安定性:需要供給曲線の交点で、需給均衡が達成されます。では、一度、均衡から外れてしまっても、必ず均衡に達する安定性をもった市場はどのような市場でしょうか?

(2)非競争市場による社会損失

※解決策は自由競争

  • 政府介入による社会損失:
  • 貿易政策による社会損失:
  • 独占企業による社会損失:

(3)「市場の失敗」の解決法

※自由競争が解決策にならない

  • 公共財の最適供給:経済学部と双璧をなす法学部の存在意義をどう経済学に取り込むべきでしょうか?司法・治安・国防は、誰でも使えてしまい減りもしません。儲からないので、企業が生産することはありません。これは、公共財の最適供給問題として定式化することができます。
  • 所得分配による公平性の確保:市場メカニズムによって社会厚生が最大化します(=効率性)。しかし、公平性は市場メカニズムによって達成されません。所得分配が解決策になります。
  • 公害の最適化(負の外部性):第三者の損益が市場に反映されないと、効率的な資源配分に失敗します。第三者の損失(負の外部性)がある場合、過剰供給で死荷重が発生します。この解決策を探ります。
  • 教育の最適化(正の外部性):第三者の損益が市場に反映されないと、効率的な資源配分に失敗します。第三者の利益(正の外部性)がある場合、過少供給で死荷重が発生します。この解決策を探ります。
  • 自然独占の価格規制:

【検討】意義と批判

  • 部分均衡分析の意義と批判

2、経済活動の一般理論

 経済の登場人物は、財を需要する消費者、財を供給する企業に大きく2分することができます。

 では、消費者と企業が合理的だとしたらどのような行動をとるのでしょうか?

  • 消費者=効用最大化を目指す
  • 企業=利潤最大化を目指す

と捉えて議論をします。

 現実は必ずしもこのように動いてはいませんが、「消費者・企業にとって本質的に何が得であるのか?」という議論をする際の基準点を提供してくれます。

2-1、消費者行動の理論

【理論】行動モデル

(1)重要概念

<行動原理>

<効用>

<予算>

(2)合理的な行動(満足度の最大化)

  • 無差別曲線で考える効用最大化:人は実に多様な振る舞いをします。では、行動を統一的に理解するモデルはないのでしょうか?制約の中で満足度を最大化する人間像を提示します。

(3)合理的な行動(お金の節約)

  • 無差別曲線で考える支出最小化:人は支出を最小限に抑えることを考えます。では、支出最小化と効用最大化は矛盾しているでしょうか?両者が表裏一体であることを示します。

【議論】行動分析

(1)よい社会とはなにか

  • 消費者にとっての効率性条件:いい社会とはイデオロギーではなく、一人一人の幸福によって測られるべきです。これは人々が効用最大化できている社会と言い換えることができます。では、いい社会の条件とはなんでしょうか。

(2)貯金とは何か

  • 消費か貯蓄か人は予算をすべて使い切るわけではありません。では、どのように消費と貯蓄を決めるのでしょうか?異時点間の消費選択による効用最大化として定式化します。

(3)働くとはなにか

  • 労働か余暇か:働くことは人生の中心命題です。では、労働とは一体なんでしょうか?労働の対概念として余暇を導入し、余暇と消費の選択による効用最大化として定式化します。

【検討】意義と批判

2-2、企業行動の理論

【理論】経営モデル

(1)重要概念

<行動原理>

<企業経営>

<経営資源>

<市場環境>

(2)合理的な経営(儲けを増やす)

(3)合理的な経営(コストカット)

  • 生産関数(資本と労働)から導く費用最小化
  • 費用関数(長期と短期)から導く最適規模

【議論】経営分析

(1)よい社会とはなにか

  • 企業にとっての効率性条件

(2)経営判断の解釈

  • 供給曲線(参入・赤字経営・撤退の意思決定)
  • 労働者と資本家への報酬はどう決まるか

【検討】意義と批判

  • 企業理論の意義と批判

2-3、一般均衡分析

【理論】一般均衡分析

(1)重要概念

<社会厚生>

<社会厚生の実現方法>

  • 厚生経済学の第一基本定理:市場均衡は効率性を達成するという理論経済学の最も重要な定理です。自由主義市場経済を理論的に擁護します。
  • 厚生経済学の第二基本定理:所得分配を行えば任意の効率性を、市場を通じて、達成することができるという定理です。所得分配を理論的に擁護します。

(2)2財の一般均衡モデル

  • 交換経済と生産経済(2財モデル)の構築貨幣を導入しないで、社会的に望ましい状態を実現するにはどうしたらいいでしょうか?2財モデルを視覚的に理解できるエッジワースボックスを用いて、考えます。

(3)n財の一般均衡モデル

  • 一般均衡モデルの構築:合理的な消費者行動と企業行動が織りなす、市場をどのようにモデル化すべきでしょうか?視覚的な理解もいいですが、最終的にはn財の交換経済+生産経済をモデルしたいです。これを一般均衡モデルといいます。

【議論】均衡と、よき社会

(1)2財:市場は効率的(第一基本定理)

(2)2財:所得分配による公平性の管理(第二基本定理)

(3)n財:需給ギャップについての法則

  • ワルラス法則の証明:一つの市場が均衡したとして、他の市場が不均衡に陥ることはあるのでしょうか?ここでは、すべての市場での需給ギャップを合計するとゼロであることを証明します。これをワルラス法則と言います。n財モデルの超過需要関数を用いて示します。

(4)n財:お金とはなにか

  • 貨幣とは何か?相対価格こそが重要価格メカニズムについては扱っても、お金とは何か?はいつまで経っても結論が導かれないのがミクロ経済学です。そこで、まず価格の何が実体経済に影響を及ぼすかについて議論したあとに、お金の本質に迫ります。

(5)n財:一般均衡の存在証明

  • 市場均衡は存在するのか?:市場均衡が社会的に望ましいことはわかりましたが、すべての市場が同時に均衡するような価格体系は存在するのでしょうか?すこし難しいですが、証明してみます。

(6)n財:厚生経済学の基本定理

厚生経済学の基本定理の証明(ミクロ経済学の力)

 こちらは上級者向けの話題です。ぜひ神取先生の解説をご覧ください。

【検討】一般均衡分析の意義と批判

3、社会現象の一般理論

3-1、ゲーム理論(完備情報)

【理論】ゲーム理論

(1)重要概念

(2)ゲームの基本的なモデル

  • 利得表(同時になされるゲーム)
  • ゲームの木(時間経過のあるゲーム)

(3)重要行動のモデル

  • ランダム行動のゲーム
  • 繰り返しゲーム

【議論】現実への応用

  • 囚人のジレンマ
  • 中位投票者の定理
  • コミットメントの重要性
  • 繰り返しゲームとコミュニティーの力

【検討】意義と批判

  • ゲーム理論の意義と批判

3-2、ゲーム理論(不完備情報)

【理論】情報の経済学

(1)重要概念

  • 情報の非対称性

(2)不確実性の理論

  • 期待効用の理論

(3)契約後の情報についての非対称性

(4)契約前の情報についての非対称性

【議論】現実への応用

  • 保険の社会的意義
  • 株主視点での経営者報酬の決定
  • 学歴差別

【検討】意義と批判

  • 情報の経済学の意義と批判

ミクロ経済学
しまうま

東大生/趣味ブログ/月間訪問者1.4万人|経済学の考え方が好きです。初学者向けに経済学の記事書いてます|各国史もまとめてます。当方、センター世界史満点でした(現役・浪人)

交流スペース(感想など!)
読者127642
社会における学校の役割って何でしょうか
読者127642
レポートにまとめないといけないのですが、序論から思いつきません(´;ω;`)
しまうま
127642さん、コメントありがとうございます。最重要な視点は「⓪親はなぜ十分な教育を子供に与えることができないのか?」という問いです。すぐに思いつく答えは「⓪親は質の高い教育ができないから」ですが、「①昔のように家を継ぐ場合」はそんなことないですし、「②できなければ家庭教師をつければいい」のです。
しまうま
となると、①から「①現在は高度な産業社会で職業の自由があること(需要)」、②から「大人数で教育することで費用を分担する(供給)」という存在理由が見えてきます。
しまうま
しかし、なら私立学校で十分です。公立学校の存在意義を考えるには、「③教育の効果を親が過小評価しがちなので「賢い政府」が適切な教育を施す必要がある(効率性)」「④教育の効果を把握していても貧しい親は教育費用を負担できず不公平が生まれる(公平性)」というのも大きな理由です。
しまうま
とはいえ、一番書きやすいのは①でしょう。近代化による産業の高度化、公教育の開始などについて調べてみてはいかがでしょうか?
読者127642
返事がいただけるとは思ってなかったです(´;ω;`)ありがとうございます!ちなみに、先生から出されたテーマがその社会における学校の位置づけ あるいは 学校の中で生活することが個々人にとってどのように機能しているか なんですが、そのテーマから問題を探すんですか(@_@。? レポートを書くのが初めてで何もわからなくてすみません(;_;)
しまうま
いえいえ、コメントいただけると嬉しいので笑 前者のテーマでは学歴社会・産業社会・文化の継承、後者は青春の思い出・人格形成・社会人になる準備みたいな視点がぱっと思い浮かびますね。1〜2枚程度の軽いレポートでしたら割と適当に書いてよいと思います。
読者127642
1~2枚くらいでいいんですが、軽く適当にがわからなくて(´;ω;`)
しまうま
図書館の「教育」のコーナーに行って、2〜3冊くらい借りて読んでみてください。それで論点と理屈と結論が思い浮かんだら、それをレポートに書きましょう。根拠として本や統計の引用をして参考文献録をつけたらレポートの完成です。
読者127642
ありがとうございます!明日学校の図書室に行って本調べてみます(#^^#)
読者127642
しまうまさんみたいにレポートの達人になりたい…
しまうま
ちなみに大学1年生ですか?
読者127642
専門学校1年生です
しまうま
そうなんですね!慣れないレポートで大変かと思いますが、頑張ってくださいねd(^_^o)
読者127642
単位のために!これからも出るであろうレポートと仲良くなるために頑張ります!このサイト作ってくれてありがとうございます(#^^#)
読者134565
TENETの解説わかりやすかったです
しまうま
134565さん、ありがとうございます!
読者147170
うえーい
読者147784
むっずかしい
読者149700
敵があった銃弾の行方だけ分かっていないんですよね。敵の撃った銃弾は後ろ歩きしていったニールに張り付いていたことになるのでしょうか?
しまうま
149700さん、ありがとうございます。ニールは生きていますから、銃弾は貫通してドアに刺さっているはずですというのが答えになると思います。しかし、この問いはテネットの抱える矛盾の一つです。ドアが作られた時に銃弾も一緒に作られていることになるからです。同じような例が高速道路のカーチェイスにあります。ドアのミラーから銃弾が「抜かれる」ようなシーンがありますが、自動車工場でミラーに銃弾を埋め込んで製造したことになります。これは明らかにおかしいです
読者150373
回答ありがとうございます.ニールが庇ったところから貫通していたとすると主人公に結果当たってしまうのではないかといったところも気になりましたが,やはり多少の矛盾は出てきてしまうのは避けられないのかもしれませんね.事象としては理解できました.ありがとうございます.
しまうま
いえいえ、こちらこそコメントありがとうございました!
読者155126
てすと
読者155263
価値観の多様性→能力の多様性
読者161258
わかりやすい!公務員試験対策に活用しています。ありがとうございます。
しまうま
161258さま、ありがとうございます。がんばってください!
読者161940
フランスを追加して欲しい
しまうま
161940さん、ごめんなさい!各国史の記事はとても時間がかかるのでいまは手をつけられない状況です。
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