限界代替率

経済学用語

 限界代替率(略:MRS)(Marginal Rate of Substitution)とは、1財を1単位減らしても効用が等しくなるような2財の増加分である。

 1財1単位を2財で代替しているので、「代替率」という。

 また、1財1単位の効用を2財の量で表しているので、主観的交換比率ともいうことができる。

 数学的には次のように表せる。

限界代替率MRSの定義

 関連話題は以下で整理する。

1、無差別曲線と限界代替率

(1)限界代替率の図示

 限界代替率は、次のように無差別曲線との関わりで視覚的に表現できる。

 また、限界代替率は、無差別曲線の接線の傾きの大きさである。

限界代替率MRSの図示

(2)限界代替率が逓減する理由

 なぜ限界代替率は逓減するのだろうか?

(これは無差別曲線が原点に対して凸である理由でもある。)

 それは1財を作れば作るほど、その効用が低下するからだ。理由は次の通り。

  • 1財の消費が少ないとき

 当初は2財を消費しすぎて飽きている一方で、1財は希少なので大事にしている。

 だから、1財を1単位増やし2財を大量に失っても、同じ効用を維持することができる。

  • 1財の消費が多いとき

 しかし、1財を多く消費ようになると、逆のことが起きる。

 1財を消費しすぎて飽きている一方で、2財は希少なので大事にしている。

 だから、1財を1単位増やした際は2財の減少を少なくすることで、同じ効用を維持しようとする。

2、限界代替率の計算方法

(1)限界代替率と限界効用

 限界代替率は、次のように限界効用の比であわらすことができる。

解説は、補論(本ページ下部)であつかう。

限界代替率MRSを限界効用の比で表す

(2)効用最大化と限界代替率

 予算制約下での効用最大化をした場合、限界代替率と価格比が等しくなることがわかっている。

  • 限界代替率=主観的交換比率
  • 価格比=客観的交換比率

であるから、主観と客観の交換比率が一致した時に効用最大化するといえる。

 解説は、別ページ(準備中)であつかう。

限界代替率MRSを価格比で表す

3、補論

(1)限界代替率は限界効用の比の証明(微分なし)

 1財の限界効用は次のように表せる。 

1財の限界効用

 ここで、1財を1単位減らすと

1財の変化分

である。これを限界効用の式に代入すると、 1財を1単位減らすことでの効用の変化は

 1財を1単位減らすことでの効用の変化

 さて、無差別曲線上では効用uは同じである。つまり、2財の消費の調整での効用uの変化は

2財の消費の調整での効用uの変化

 ここで2財の限界効用がつぎのように表せることを思い出す。

2財の限界効用

 上に△u=MU(x1)を代入すると、

上に△u=MU(x1)を代入したもの

である。限界代替率MRSの定義は

限界代替率MRSの定義

であるから、これに

限界代替率MRSは限界効用の比で表せる

 これは限界代替率MRSが限界効用MUの比で示せることを意味する。

(2)限界代替率は限界効用の比の証明(微分)

 全微分を用いた証明もできる。

限界代替率MRSを全微分で導く