「THE DAYS」について/ヒューマンドラマ・災害実話

 後学のために1話だけ観た。2話から8話は面白くて観た。「THE DAYS」は2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故の初期対応を描く。「事実に基づいた物語」が各話必ず表記される。

https://www.youtube.com/watch?v=U6nDGfaNPYs

===以下、ネタバレ注意===

 

 

 

 

 

===続===

 面白いのは、国のリーダーと発電所のリーダーの差である。首相は問題の体裁を整えることを目的として、周囲を恫喝し、不適切な判断で現場を混乱させた。所長は問題の解決を目的として、部下の労をねぎらい、上層部の不適切な判断から現場を守った。

 《私》がリーダーになるとき、人を選ぶリーダーか、人を活かすリーダーかを選べる。前者は無いものねだりをするリーダーであり、後者は有るものを最大限活用しようとするリーダーである。印象的な場面は2つある。一つは「東大経済学部卒業です」と話す原子力安全・保安院院長から首相が目を背けるシーン(エピソード2)。もう一つは、高圧的な副社長に「海水注入を中止」と宣言しつつも、現場では海水注入を所長が続けさせた場面(エピソード5)。同じように組織の機能不全に直面しても、首相と所長がとった行動は真逆だった。

 

【追記】

 このドラマの最も重要な点は

・福島第一原発職員は命をかけて、厳しい状況下で事故対応にあたった点

・最悪の場合、東京が居住不可能となり、北海道と西日本しか残らないとの分析が首相に伝えられ、本当に亡国の危機にあった点

である。また、先のリーダー論はドラマの感想であって、現実の菅直人首相、吉田昌郎所長の評価とは切り離すべきだ。

・吉田昌郎(1955-2013年):東京工業大学大学院で原子核工学を専攻。修了後、東京電力に入社。2011年3月11日の東日本大震災発生時に福島第一原子力発電所所長を務めていた。死因は食道ガン。原発事故とガンの関係は不明。ストレスが原因とも言われる。

・「THE DAYS」は2023年にNetflixで公開された全8話のドラマ。原案は門田隆将、企画・脚本は増本淳、監督は西浦正記、中田秀夫。主演は役所広司(吉田所長・役)。他には竹野内豊(1,2号機 当直長・役)、小日向文世(内閣総理大臣・役)、光石研(東央電力副社長・役)が出演。

しまうま

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