【実践編】メンタルを強くする科学的な方法【毎日読む用】

勉強法

はじめに 〜ライチェン・プログラム〜

  • 悩み事がある思春期の中高生
  • 勉強に追われてつらい受験生
  • 世知辛い社会を生きる社会人
  • 慣れない環境でメンタルにきてる人

 ストレスがたまると、悪循環にハマりがち。そんなときは、「メンタル強くしないと!」と自己啓発本とか見てしまいます。

 けれど、あんまり効果ないですよね?原因は、環境は変えにくいし、かっこいい名言は実際にはメンタルの役に立たないから。

 この言葉を思い出してください。

健全な精神は健全な肉体に宿る

 「マインドより、カラダからメンタルを変えた方が手っ取り早い」仮説の検証はされましたか?

 自己啓発本を読み漁るより、まず肉体の生理的な面からメンタルを改善する方が、よっぽど堅実です。

 本記事は、カリフォルニア大学の科学論文(※1)を参考にして、毎日無理なくできる超具体的な実践法(※2)を解説します。

本記事の概要
  • 毎日、使いやすいように、「心がけ・朝・昼・夜」の4つの項目
  • 科学論文(原文は英語)で検証された効果も解説
  • 「エセ科学」に飽き飽きしている方向けに、最後に少しだけコラム
  • まずは1ヶ月、「ライチェン・プログラム(※3)」にトライしてみましょう!
  • SNSのハッシュタグは「#ライチェン」「#ライチェン座学」

(※1:カリフォルニア大学サンタバーバラ校「Lifestyle change program(生活習慣改善プログラム)※1」の効果を調べた科学論文)(※2:本来は6週間に渡り毎日5時間をプログラムに費やしますが、そんなの実行不能なので項目を全て残して約60分/日に圧縮しました。)(※3:ライフスタイル・チェンジ・プログラムの略)

0. 心がけ〜マインドと食事と善行〜

マインド

当たり前のものをそのまま受け止める。一方で、その自分への疑いを常に忘れない。

これが、浮ついた言葉や敵意に惑わされずに、自分を信じるコツだ。

・・・

自分は他の何者でもない自分であり、時間は不可逆だ。変えられないものは、変わらない。

すでにさいは投げられた!

毎日が仕切り直しなのだ。

透明な風が未来圏から吹いてくる。さあ、一日の始まりだ!

良質な食生活

ライチェン・プログラム

  • バランスのよい食事(エネルギー、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル)
  • お酒は1日1杯まで(お酒1杯の定義は、蒸留酒40g、ビール340g、ワイン140g)
  • ラーメンと加工食品を減らす
  • <美味しい><健康にいい><新>メニューを毎週土曜日昼に練習

(参考)実際際に論文で検証された実践方法

  • バランスのよい食事
  • お酒は1日1杯まで(お酒1杯の定義は、蒸留酒40g、ビール340g、ワイン140g)

善行をつむ

ライチェン・プログラム

  • 誰かのために一ついいことをする

(参考)実際に論文で検証された実践方法

  • 毎日のランダムな親切な行為(※ホントにカリフォルニア大の論文に書いてある)

1. 朝〜ストレッチと運動〜

ストレッチ(20分)

ライチェン・プログラム

  • 朝起きたらYouTubeつけて20分ストレッチ
  • 深呼吸を意識(6秒で吐いて6秒で吸うペース)
1 hour Vinyasa Flow For Flexibility – 60 min Intermediate Yoga
1 hour Vinyasa Flow For Flexibility

(参考)実際に論文で検証された実践方法

  • 毎日60分のストレッチ(コーチつき)
  • 深呼吸(1分間に5回)

日替わりの運動(※1日1回。朝できない人は夜へ

ライチェン・プログラム

1日はHIIT(高強度インターバルトレーニング)(※4)で激しい運動。タバタ式シンプルタイマー8セットを使用。もう1日はゆっくりとした運動。

(※4:HIITとは、激しい短時間の運動、短時間の休憩を繰り返すトレーニング方法。時間当たりの効果が高い。日本ではタバタ式として知られる。)

  • 月曜日:週はじめで気持ち的に忙しいのでお休み
  • 火曜日バーピー正しいBurpee Jumpwith Elena Tsushimaを参考に、「高速で『立ってハイタッチ、しゃがんで床に寝る』を20秒全力でやる、10秒休みのHIIT」を8セット。
  • 木曜日腕立て伏せ[筋肉体操] 腕立て伏せを参考に、「高速で腕立てを20秒全力でやる、10秒休みのHIIT」を8セット。
  • 土曜日ランニングorサイクリング:朝早く起きて家の外を20分走る。出来るだけ、坂があるところを選ぶ。車と子供と老人に注意。

(参考)実際に論文で検証された実践方法

  • 週2のヨガ、週1のピラティス、週1の自重サークルトレーニング(コーチつき)
  • 自分で週2のHIIT(推奨)

2. 昼〜知識の吸収〜

健康や精神についての座学(10分)

ライチェン・プログラム

  • 信頼のおけるテキストやブログを読む
  • スマホにメモっておく
  • 「#ライチェン座学」で学んだことをSNSに投稿すると仲間が見つかります
  • 分野は「栄養」「運動」「睡眠」を最優先
  • ただし、アル中は「アルコール」、ニコ中は「タバコ」を最優先。
  • 中高生なら「発達心理学」、身近な人が悩んでいたら「臨床心理学」もあり。
  • 「ストレス管理」「目標達成」は読んだだけで終わりがちなので、読まない。

(参考)実際に論文で検証された実践方法

  • 参加者に1.5時間のレクチャー(睡眠や栄養など)

3. 夜〜運動とマインドフルネスと睡眠〜

日替わりの運動(※1日1回。夜できない人は朝へ

マインドフルネス(20分)

ライチェン・プログラム

  • 寝る前のベットでの20分のマインドフルネス(瞑想)
  • マインドフルネスとは「今この瞬間に集中すること」。無心を追求する禅とは少し違う
  • 半目にして坐禅を組み、今この瞬間に自分の呼吸に集中する
  • 数々の雑念が襲うが、それに気づいたらそれを振り払い、20分だけは呼吸に集中する
  • Mindfulness Meditation – Guided 20 Minutes」の鐘がなるまで瞑想

(参考)実際に論文で検証された実践方法

  • 集中瞑想:呼吸や歩行の身体感覚に集中させる
  • 思いやり瞑想:自分、好きな人、知人、知らない人が「苦しみから逃れること」「幸せを願うこと」を想像する

良質な7時間睡眠

ライチェン・プログラム

  • 22時半〜7時を睡眠時間として予定に組み込む
  • 7時間以上寝る(できれば8時間)
  • その時間はスマホやカフェイン飲料も断つ
  • 早く起きたら、7時まで趣味や勉強の時間にする
  • ※夜、連絡を取ってくる友達には「ライチェンしてるから」と言う

(参考)実際に論文で検証された実践方法

  • 8~10時間寝る

今日もお疲れ様でした!
ここから先は気になったら読んでください

4. 原著論文について

論文で認められた効果

The intervention elicited substantial improvements in physical health, working memory, standardized test performance,mood, self-esteem, self-efficacy, mindfulness, and life satisfaction.

同論文

和訳するとこうなる。

本介入(訳注:6週間毎日5時間のライフスタイルチェンジプログラム)は次の分野での大きな改善を生み出した。カラダの健康、ワーキングメモリ、テスト成績、気分、自尊心、自己効力感、マインドフルネス、人生の満足度だ。

 結論には、通常のマインドフルネスより、「2.5倍」もの効果があったと論文に書いてある。そこで、実際の数値データを見てみる。6週間のプログラム前後の数値比較がこちら。

項目効果コーヘンのd(全て+)偏差値換算
後部帯状皮質と体性感覚皮質の接続性非常に大きい1.818
後部帯状皮質と補助運動野の接続性非常に大きい1.818
気分非常に大きい1.616
減ったストレス非常に大きい1.515
注意散漫非常に大きい1.212
筋持久力非常に大きい1.414
筋柔軟性非常に大きい1.111
集中力大きい110
自己効力感大きい0.88
ワーキングメモリ容量大きい0.88
自尊心大きい0.77
読解力中程度0.44
創造性小さい0.33
思いやり小さい0.11

 コーヘンのdとは、偏差値10を1単位にして、どれほど数値が変わったかを述べる数値だ。例えば、「気分はコーヘンのdが1.6だから、偏差値にして+16もよくなった」と言える。

 つまり、「気分」「減ったストレス」「注意散漫」「集中力」「自己効力感」などに大きな効果が認められたと言え、「メンタルを強くする方法」として適切なプログラムであることが推測される。

信頼性について

 そこで気になるのが、論文の信頼性。被験者が多い方が統計学的に一般性(誰にでも当てはまること)が高い結果を得ることができる。では、この実験の被験者数はいくらか?

 実は、被験者は31人(男16人、女15人)(※5)で、実験は小規模だ。6週間に渡り毎日5時間の介入実験を行うのだから、百〜千人の大規模実験は無理だからと推測できる。

 しかし、31人の被験者の「気分」「減ったストレス」「注意散漫」「集中力」「自己効力感」などに大きな効果が認められた事実は否定できない。

 その点で、一般性に疑問は残るが、検証されたライフスタイルチェンジプログラム(※5)には期待できる。科学的評価は保留するが、実践してみるには申し分ない数字だと言える。

 ちなみに、本論文のカリフォルニア大学サンタバーバラ校は、2020年世界大学ランキングは135位。早稲田大学や慶應大学より格上だ。ノーベル賞輩出者も6名の名門大学である。

 ※5ちなみに、ライフスタイルチェンジプログラムという名称は正式名称ではなく、被験者となる学生のリクルートに書いてあった「運動、栄養、睡眠、マインドフルネス、思いやり、人間関係についての集中的なライフスタイルチェンジプログラム」から取っている。

本来の研究目的と、ライチェン・プログラムの誕生

 本来の研究目的にも言及しておこう。原著論文のタイトルは “Pushing the Limits: Cognitive, Affective, and Neural Plasticity Revealed by an Intensive Multifaceted Intervention”。

 雑に和訳すると、「限界を突破する:短期集中の多方面による介入によって理解された認知的・感情的・神経の可塑性」。

 序論には「脳は多方面から影響を受けており、今までのように単一の方面からの検証では理解できない部分があるので、研究してみた」とある。

 そのため、本研究では「食事・減酒・睡眠・HIIT・ヨガ・ピラティス・ストレッチ・座学・マインドフルネス」の多方面に手を伸ばして検証を行った。

 こうして、ライチェン・プログラムが生み出されたのだ。

レファレンス

Michael, M., Benjamin, M., Kaita, M., Jonathan, S. (2016). Pushing the Limits: Cognitive, Affective, and Neural Plasticity Revealed by an Intensive Multifaceted Intervention. Retrieved January 16, 2020, from https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnhum.2016.00117/full

5. 科学と人生との関わり方

 現代人は皆、科学技術の恩恵を受けているが、科学の知との関わり方は様々だ。「科学者として知を発展させる」、「論文を読み、科学文明を吸収していく」、「初等的な科学の教育だけ受ける」といった関わり方がある。

 一度でも大学教育を受ければわかるが、学問の世界は奥深く、安易に手を出すと素人は怪我をしてしまう。

 私も、心理学や脳科学の専門教育を受けたわけではない。もちろん、ジムのトレーナーでもない。我々は素人なのだから、この際、「正しさ」について言及するのは避けよう。カリフォルニア大学の論文を理由に「ライチェン・プログラム」が正しいなんて言うのも、よくない。

 我々の目的は、「人生を良くすること」。

 健康やメンタルや仕事・勉強の成績が良くなったら、「厳密に科学的な意味で正しい」でなくてもいいじゃないか。

確かなことは、
・あなたが存在すること
・あなたの人生はあなたしか生きられない
ということだ。

 まずは1ヶ月「ライチェン・プログラム」を実践してみるのは、どうだろうか?

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