「てれすこーぷ。」管理人のしまうまです。
今回は等量曲線を解説します。ミクロ経済学における生産者理論の一つです。
1、等量曲線とは何か?
(1)定義
等量曲線とは、ある生産量y*を達成するのに必要な資本量Kと労働量Lの組み合わせです。
その組み合わせでは、同じ量が生産できるので「等量」曲線というのです。
グラフでは資本量と労働量を2軸にとって、無差別曲線のような形となります。



(2) 理論的な意義
等量曲線は等費用線との関係において、企業の費用最小化問題を考えるのに役立ちます。
具体的には次のようなことが理論的に導かれます。ただし、これについては別記事で考えます。



2、等量曲線の導出
(1) 等量曲線と生産関数の関係
さて等量曲線はどこから導出するのでしょうか?
定義にもどると、等量曲線は1つの定数y*、2つの変数K、Lから構成されていることがわかります。
ここで「ある生産量y*」を従属変数とする関数を考えます。
「資本量Kと労働量Lによって決定される生産量y」
これはまさに生産関数のことです。
(2)生産関数グラフから等量曲線を導く
さて、生産関数は等量曲線より高次元な概念であることがわかりました。
それでは生産関数から等量曲線を導出してみましょう。
生産関数Fは次のようなグラフで表せます。
※ 限界生産性逓減、収穫逓減を想定



上のグラフのどこが等量曲線なのでしょうか?
等量曲線は、ある生産量y*を達成するのに必要な資本量Kと労働量Lの組み合わせです。
ですので、赤い曲線が等量曲線となります。



(3) 等量曲線の計算
次に生産関数から等量曲線を計算する方法を考えます。
例えば生産量10の等量曲線を求めたいとします。
それでしたら、生産関数にy=10を代入するだけです。意外と簡単ですね笑



3、等量曲線の性質
最後に、さらっと等量曲線の性質をみていきましょう。
- 右下がり
使う資本量Kを減らすと、その分、労働量Lを増やさないといけないからです。
- 右上方の生産量が大きい
生産関数を考えることで視覚的にわかります。
- 原点に凸
技術的限界代替率逓減の仮定から導かれます。
4、おわりに
これで等量曲線のお話は終わりです。
企業の等費用線との関わりにおいて、費用最小化問題について考えたい人は、別記事(準備中)へどうぞ!