財政政策のIS-LM分析

IS-LM分析

 財政政策のIS-LM分析を行います。

 IS-LM分析とは、財市場と貨幣市場の同時分析です。(詳しくはこちら→IS-LM分析

1、財政政策の効果

(1)拡張財政の分析

 まず、拡張財政については次のことが言えます。

  • メリット1:直接的に需要に働きかけるので、即効性がある
  • メリット2:IS-LM分析によると、正の効果がある。
  • デメリット1:場合によっては国債発行が必要で、財政赤字を抱えることになる。
  • デメリット2:IS-LM分析によると、クラウディング・アウトが発生し、効果が小さくなる。

 これについて、IS-LM分析していきましょう。

 また、(3)では緊縮財政について取り上げます。

(2)拡張財政のIS-LM分析

 政府支出Gの増加を意味する拡張財政は、IS曲線を右シフトします。(詳しくは→IS曲線のシフト

 財市場だけでは、国内総生産の増加について高い効果が見込めます。

 しかし、貨幣市場を考慮すると、利子率の上昇にともなう投資の減退が発生します。

 これがクラウディング・アウトという現象です。

 こうして、国内総生産は少し落ち込みます。

 これを図示すると次のようになります。

(メカニズムは後半で述べる。)

(3)緊縮財政のIS-LM分析

 緊縮財政では真逆のことが起きます。

 緊縮財政を行うと、IS曲線が左シフトします。

 しかし、その結果、利子率が減少し、投資が喚起されます。

 そして、緊縮財政×政府支出乗数での減少分より、国内総生産の落ち込みは小さくなります。

2、拡張財政のクラウディング・アウト

 拡張財政のクラウディング・アウトは次のような過程を経て、発生します。

拡張財政のIs-Lm分析2

(1)初期状態

  初期状態でもともと短期均衡に達していたとしましょう。

(2)需要の創出=IS曲線の右シフト

 政府支出が増加することで、拡張財政×政府支出乗数の分だけ総需要が喚起されます。

 国内総生産が増えると、消費も増大します。

 こうして、国内総生産は大きく増えます。(→有効需要の原理

(3)金融経済への影響

 しかし、国内総生産が増えたことで取引需要が増えます。

 この結果、貨幣需要が増大し、利子率が増加します。(→利子率の決定

(4)クラウディング・アウト

 これが投資を減らします。

 すると、需要が減り、消費が減ります。

 この結果、国内総生産は減るのです。

 これが財政政策のクラウディング・アウトです。

 ただし、IS-LM分析では、財政政策は一定のプラスの効果があることがわかります。