MaCurdy型効用関数とは、消費C、労働Lに関する次の効用関数である。消費は増えると効用が増大するが、限界効用は逓減する。労働は増えると効用が減少し、負の限界効用の絶対値は逓増する。「負の限界効用の絶対値は逓増」の理由は、余暇=保有時間ー労働のために、労働が増えるのは余暇が減ることと等しいからである。
$$U(C,L)=\frac{C^{1-\chi_c}}{1-\chi_c}-B\frac{L^{1+\chi_L}}{1+\chi_L}$$
$$消費C、総時間T=労働L+余暇l$$
$$\chi_c:相対的リスク回避度$$
$$\frac{1}{\chi_L}:フリッシュ労働供給弾力性$$
$$B:労働からの効用を消費からの効用の単位に揃える$$
MaCurdy型効用関数は、パラメーターを操作することでLog-Log型効用関数とHansen-Rogerson型効用関数を導ける。
$$\chi_c→1かつ\chi_L→-1ならば \log (C) – B \log (L)$$
$$\chi_c→1かつ\chi_L→0ならば\log (C) – B L つまり \log (C) + B l $$
MaCurdy型効用関数によれば「幸せになるには、消費を増やし、働かず、余暇を楽しむ」が合理的な解となる。ただし、この裏には「消費するには、お金を稼ぐ必要があり、そのためには余暇を犠牲にして働く」という予算制約がついている。労働者階級にとって、消費と余暇はトレードオフの関係にある。それが嫌なら、不労所得で生活すべきだ。
$$効用最大化:\max_{C,L} U(C,L)=\frac{C^{1-\chi_c}}{1-\chi_c}-B\frac{L^{1+\chi_L}}{1+\chi_L}$$
$$予算制約:(価格P) \times (消費財C) = (賃金w) \times (労働時間L) + 不労所得$$
$$時間制約:総時間T=労働L+余暇l$$