LaTeXの環境構築と数式表現について / レポーティング

 LaTeX(ラーテック)(通称:ラテフ)の環境構築、数式表現のコードについて、ご紹介します。

$$\LaTeX$$

#LaTeXのロゴを表示するLaTeXコード
\LaTeX

LaTeXについて

 LaTeXを使うと美しい数式表現が可能です。例えば、こんな感じです↓

 ベタ打ち→e=lim n→∞ (1+1/n)^n  醜い!

$$e = \lim_{n \to \infty} \Big(1 + \frac{1}{n} \Big)^n →美文字$$

 ところでLaTeXはどう読むのでしょうか? いくつかの流派があります。

・ラーテック(Lah-tech)、レイテック(Lay-tech):英語圏で使われる発音。(出典:Introduction to LaTeX

・ラテフ:日本人独特の読み方。LaTeX(1989年)のもとになったTeX(1978年)がテフと読まれていたから。テフはギリシア語風の読み方。

・フランス語ではla-tek、ドイツ語ではlah-tekhs

LaTeXの環境構築

 LaTeXは次の場所で使うことができます。

・【おすすめ】Word / PowerPoint(挿入→数式で使える。なお、パワポでは、描画→フリーハンドで数式を書く→オブジェクト選択→「インクを演算に変換」でLaTeX化できる。パワポの数式はWordにコピペ可。LaTeXを勉強するのが割に合わないと思う人は、ノーコードで綺麗な数式を書いてみよう! iPadやペンタブ所持者におすすめ。)

・【おすすめ】Cloud LaTeX(クラウドでLaTeXを使える。日本の学生アプリコンテスト出品作品。現在はアカリクが運営。テンプレ使うとすぐに日本語を書けるの偉い。2014年〜)(出典:Cloud LaTeXを語る ―大人気サービスの誕生秘話―

Overleaf(クラウドでLaTeXを使える。全世界で使われている。前身は2011年〜)(出典:Wikipedia

・RMarkdown(Rでの文書化で使える。)

・MathJax(数式をウェブブラウザ上で表示するJavaScriptライブラリ。しまうま総研も使用。)

LaTeXで文書作成

 Cloud LaTeXの「新規プロジェクト」から「既定テンプレートのプロジェクト」を新規作成するのがおすすめです。日本語ユーザーに優しいからです。ただ、Overleafもよく使われています。

\RequirePackage{plautopatch} %おまじない:非互換な海外製パッケージが使われた場合には自動で検知して適切なパッチを読み込む
\RequirePackage[l2tabu, orthodox]{nag} %古いコマンドやパッケージの利用を警告
\documentclass[platex,dvipdfmx]{jlreq}  % platexの日本語のため
\usepackage{graphicx} % 画像取り込み

\title{レポートタイトル}  %レポートタイトル
\author{著者名}  %著者名
\date{\today}  %今日の日付

\begin{document}  %ここから文書始まる

\maketitle %タイトル、著者名、日付の出力

本文入力。
$$\frac{1}{2}$$

\end{document}  %ここで文書終わる

LaTeXで数式を書く

#数式の書き方 ※どのサービスでLaTeXを使うかで異なる。
$数式$  #文章中で数式を書く場合
$$数式$$  #1行使って数式を書く場合

#バックスラッシュについて
\と¥は同じ

主なギリシア文字(小文字)

$$\alpha, \beta, \gamma, \delta, \epsilon, \zeta, \mu, \pi, \rho, \theta, \lambda, \sigma, \phi, \omega$$

#α アルファ
\alpha
 
#β ベータ
\beta
 
#γ ガンマ
\gamma
 
#δ デルタ
\delta
 
#ε イプシロン
\epsilon
 
#ζ ゼータ
\zeta
 
#μ ミュー
\mu
 
#π パイ
\pi

#ρ ロー
\rho
 
#θ シータ
\theta
 
#λ ラムダ
\lambda
 
#σ シグマ
\sigma
 
#φ ファイ
\phi
 
#ω オメガ
\omega

#他にもギリシア文字はあります。

主なギリシア文字(大文字)

$$A, B,\Gamma,\Delta,\Pi,\Sigma,\Phi,\Psi,\Omega$$

#A アルファ
A
 
#B ベータ
B
 
#Γ ガンマ
\Gamma
 
#Δ デルタ
\Delta

#Π パイ
\Pi
 
#Σ シグマ
\Sigma
 
#Φ ファイ
\Phi
 
#Ψ プシー
\Psi
 
#Ω オメガ
\Omega
 
#他にもギリシア文字はあります。

大小関係

$$< =  > \leq \ge$$

#< = >
< =  >
 
#≤
\leq
 
#≥
\ge

大きなカッコ

$$(, \big( , \Big( , \bigg( , \Bigg(, \left( \frac{ 1}{2} \right)$$

#普通のカッコ(
(

#少し大きなカッコ
\big(
 
#大きなカッコ
\Big(
 
#かなり大きなカッコ
\bigg(
 
#とても大きなカッコ
\Bigg(
 
#中身に応じて変わるカッコ
\left( \frac{ 1}{2} \right)

分数

$$\frac{a}{b}$$

#aを分子、bを分母とした分数
\frac{a}{b}

上付き文字

$$x^2 x^{a+b}$$

#Xの右下に1文字だけつけるコード
X^2
 
#Xの右下に2文字以上つけるコード
X^{a+b}

下付き文字

$$X_i X_{abcd}$$

#Xの右下に1文字だけつけるコード
X_i
 
#Xの右下に2文字以上つけるコード
X_{abcd}

指数・対数

$$a^2 \log_{4}16=2 log_{4}16=2$$

#指数
a^2
 
#対数 ※\をつける
\log_{4}16=2

#\をつけないと上の右端になりますが、好まれません
log_{4}16=2

Σ(シグマ)

$$\sum_{i=1}^n X_i$$

#i=1,2,3...nまでのXiを合計するシグマ
$\sum_{i=1}^n X_i
 
#Xの右下にiをつけるコード
X_i

極限

$$e = \lim_{n \to \infty} (1 + \frac{1}{n} )^n$$

#自然対数の定義
e = \lim_{n \to \infty} (1 + \frac{1}{n})^n
 
#極限 ※\つける
\lim

#右矢印→
\to
 
#無限∞
\infty

微分

$$f'(x) \frac{df}{dx}$$

#関数fをxで微分する
f'(x)
\frac{df}{dx}

$$\frac{\partial f}{\partial x}$$

#関数fをxで偏微分
\frac{\partial f}{\partial x}
#ラウンドディー∂のコード
\partial

積分

$$\int  \int_{b}^{a}  \int_{b}^{a} f(x) dx$$

#インテグラルの記号
\int
\int_{b}^{a}
#定積分
\int_{b}^{a} f(x) dx

最適化

$$\max_{x} U(x) \min_{x,y} U(x,y)$$

#maxの下に文字をつける
\max_{X} U(X)
 
#minの下に文字をつける
\min_{x,y} U(x,y)

#最大、最小
\max \min

特殊な表現

$$\cdots \left. \frac{du}{dx} \right |_{a=1} \bar{X} \overline{XYZ} \hat{a} \widehat{XY}$$

$$ \tilde{a} \widetilde{ab} \infty \Rightarrow \partial \mathcal{L} \mathbb{R}$$

#三点リーダー「・・・」
\cdots

#条件づけのための長い縦棒
\left. \frac{du}{dx} \right |_{a=1}
#↑解説「\left.」左「\right」|右です。
 
#バー
\bar{X}
\overline{XYZ}

#ハット^
\hat{a}
\widehat{XY}

#チルダ~
\tilde{a}
\widetilde{ab}
 
#∞
\infty
 
#⇒
\Rightarrow
 
#∂
\partial
 
#L
\mathcal{L}

#二重文字
\mathbb{R}
\doubleR #パワーポイントでの出力の場合